鳥取の小さなIT企業に転職者が殺到するワケ 地方にあることはまったくハンディじゃない

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人口が最も少なく、IT事業への就労人口は全国で2番目に少ない鳥取の地だからこそ、この地で成功することは意味深い。そして、LASSICにエンジニアの応募が殺到するのは、自分「らしく」生きるためである。

それぞれが暮らしたい土地で過ごしたい生活をする。それはUターンで地元に戻ることかもしれないし、Iターンで初めての田舎暮らしをすることかもしれない。同じ開発チームに属するメンバーが違う土地で仕事をしていることが、LASSICでは珍しいことではない。

たとえば、開発メンバーが仙台と福岡と鳥取にいる。プロジェクト環境はすべてクラウド上にあり、会議はTV会議で行うのだ。

かつての「メンタル研修事業」が思わぬ形で結実

経験値はムダではなかった!

経営の通信簿で「×」だったはずのメンタルタフネス事業だが、得られたものもあった。思いがけず、自治体との提携の話が舞い込むきっかけにもなったのだ。研修を行った智頭町を皮切りに、静岡県の熱海市とも同様の事業を行い、鳥取県岩美町とは「地方創生パートナーシップ協定」を結んでいる。今も全国の地方自治体から、さまざまな分野で提携などのオファーの声が絶えないという。

創業から長く主事業となっているニアショア開発事業は、LASSICが地方に拠点を構え、LASSIC「らしく」あるための形を追求する事業だ。そしてそれは、従業員のその人らしさの体現にもつながった。

LASSICは2017年に本社移転を控えている。移転先は、旧鳥取高等農業学校校舎跡地。そこは、時代を超え、新しいものが生み出されてきた場所である。大正時代に創設された鳥取高等農業学校では当時としても最先端のバイオテクノロジーによって、現在も鳥取県の特産品である二十世紀梨の疫病研究を行い成果を上げた。また、その土地を受け継いだ鳥取三洋電機は、ここから数々のヒット商品を開発した。

新しいものを作り出してきた「先代」に恥じないものを生み出していく決意とともに、LASSICは今日も「らしく」を追求する。

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