「バイト命」の娘の学費、親は払うべきなのか 大学を退学させ新しい進路の応援者になろう

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登校する息子のお見送り1つにも、何事にも丁寧で優しく、几帳面な勝子さんの性格が表れていますが、私の目から鱗が落ちたのは、その娘さんの話です。勝子さんの娘さんは中学生の時、学校の前の売店でタバコを吸い始め、親が学校から呼び出されました。

勝子さんが先生と娘の前で言った言葉が驚きです。「あんたもあほやな、何もわざわざ学校の前で吸わなくとも。これからは家の中でなら吸ってもよいから、外では吸わないと約束しなさいと言ったら先生にあきれられたわ」と言って、私をあきれさせました。

几帳面な勝子さんですが、学校から呼び出しを受けた時、驚くのと同時に、瞬時に判断したそうです。いくらタバコを禁止しても、24時間自分が娘を監視できないから、それなら家で吸うことを認めて、学校では問題を起こさないようにさせようと。

その後も勝子さんの娘に対する態度は、一貫していたものと思われます。彼女の娘さんの外見は、ヘアースタイルも化粧も爪なども、いわゆるヤンキーママのお手本です。普通ならまだ勉強をしている年代ですが、かわいいベイビーを連れていつも実家に遊びに来ていて、そのベイビーを中心にした勝子さん夫婦の笑いは絶えません。

なぜ幸せな家庭になったのか

中学生でタバコを吸ったとか、大学にも行かず、未成年で妊娠したと叱ったり責めたりしていたら、勝子さんの娘さんは立派な?不良になり、親子の断絶も招いていたかもしれません。

お節介にも私が、「ベイビーをきっかけに、体に悪いタバコはやめたの?」と聞くと、それだけは止めないと本人は笑いながら言い張り、横で親も笑っています。親の出方で結果がこんなにも違うのを、久しぶりに見た思いでした。勝子さんが几帳面な人だけに、この態度は際立って見えます。

(最も下手な男に引っかかったり、知らない人に事件に巻き込まれたりするご時世ですから、誰にでも参考になるとは申しませんが)

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