「中央銀行バブル」は、いつ完全にはじけるか

ギリシャ神話「イカロスの翼」になる危険性

「イカロスの墜落」をモチーフにした絵画。中央銀行のインフレ目標は危うさを抱えている(Jacob Peter作、スペインプラド美術館/アフロ)

中央銀行にとって、インフレ目標は太陽を目指するのと等しい。だが今は低空飛行のデフレのリスクが逼迫している。これ以上水滴をかぶると、翼が重くなり、水没のリスクさえある(マイナス金利の拡大)。しかし、目標が達成され、実際にインフレが起こると、金利を上げなければならない。その時、膨大な流動性で覆われた金融市場はどうなるだろう。

2月を思い出すまでもなく、FEDが金利を上げれば、株式市場は暴落するだろう。実体経済で需要(成長)があれば、金利上昇を吸収できるという考えがある。

100兆~200兆円の価格下落も

しかしリーマンショックの前、コナンドラム(イールドカーブが平坦化した状態)が終わり、長期金利が上がり始めて直ぐに住宅バブルは崩壊した。この頃から米国経済は既に成長力は失われていた。金融機関の異常なレバレッジ(信用拡大)が、その実態を隠していたにすぎない。

一方、株よりもバブルといわれる債券市場はどうなるか。FFレートが1%に上昇した場合、現在1000兆円規模のマイナス金利状態の債券は、試算では100兆~200兆円の価格下落が予想されている。

そうなると、この債券を持っている金融機関は大変だ(日本では地銀など)。当然だが、満期までも保有してもマイナス金利で買った債券の元本は戻ってこない。三菱東京UFJ銀行が日本国債のプライマリーの資格を返上したことが米国でも話題になったが、今後、世界のどこかで追随者が出るだろう。

そして、FEDにとっても、利上げは自分自身を傷つける。450兆円規模に膨らんだポートフォリオの下落もさることながら、今の金融政策は、FFレート、リバース・レポ、そしてリザーブ(日銀の当座預金に相当)の3点セットになっている。もしFFレートを上げるなら、リザーブにつけている金利も上げる必要がある。それはFEDにとって膨大なコスト負担である。財務省に返納する国庫の収益を直撃する。

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