(第6回)就職活動スケジュール(年内編)

【年内の採用目線】
大手と呼ばれる企業の2010年度の採用が動き始めるのは、入社式や新入社員の仮配属といった業務が一息ついた5月だ。そのきっかけは大手就職サイトを運営する会社が2009年度の採用総括をまとめあげたレポートを配布するところから徐々に始まる。その後、そのレポートの詳細をセミナー形式で取引先である人事部に発表、と同時に2010年度採用の展望なども予測し、基幹商品である就職ナビについても商品説明を行い、その他の採用施策や仕掛けについても言及していく。
近年のワンデイインターンシップなどの急激な増加などは、企業側が持つ「うちの会社も取り組まないと乗り遅れる」といった問題意識以上にこのような仕掛けがきっかけとなっているのだ。

年内の企業の「採用目線」からの施策を整理しておくと、
・ワンデイなどのインターンシップ
・就職ナビへの出稿によるPR
・就職ナビからのプレエントリー
・大学内での合同セミナー
・オープンセミナー
といったところが主なものだ。

 次にそれぞれの採用施策に込められた人事部側の意図について説明しよう。

・ワンデイなどのインターンシップ

 大手企業にとっては早期段階における重要な採用PR施策となっている。特に昨今、実施する企業が増加してきたことから、外部業者によってパッケージ化された企画では、数社のインターンシップを受講した場合、コンテンツが被るという事態を引き起こす危険性もあるため、各社が独自に工夫を重ね、改善を常に加えたプログラムを用意している場合が多い。
 外資系や一部の企業では、実質的な選考の機会であったり、インターンシップに参加していないと本採用に直結しないといったものはまだ少数。
 インターンシップは大きく分けると「支援型」と「体験型」だと理解すべきだろう。
 「支援型」とは、まだ就職といっても何をしていいのかわからない学生に対する就活の事前指導が主体となるもの。
 対して「体験型」は、自社のビジネスモデルや仕事の進め方などを実際にケーススタディで体験してもらい、事業や仕事に対する理解を深めさせようというのが狙いである。

 したがって、参加するインターンシップが「何型」かによって、皆さんも準備をする内容が変わってくる。
 クチコミや噂を学生に対するインパクトと考え、参加学生の動員をねらうユニークなものも登場し始めている。主に夏場が開催時期のインターンシップ。最低でも「何型のインターンシップなのか」は事前に理解したうえで参加すべきだろう。

・就職ナビへの出稿によるPR
・就職ナビからのプレエントリー

 まず、何千社という企業が参加している大手就職ナビから、自分に合う業界や企業を探すのは転職を考えている社会人でも困難なテクニックだということを知っておいて欲しい。
 では就職ナビを企業がどのように捉えているのかというと、単純にエントリー者のリスト管理だと考えてよい。したがって、興味を持った会社を先に見つけて、その会社の採用ホームページにエントリーすれば同じことだ。

 9月頃に就職サイトをしゃかりきになってサーフィンし、そこから志望企業を見つけようとすることは愚行。そのような時間の使い方をするならば、第5回で述べたように、まず「好き・面白い」という本能的な理由だけで興味の対象としていたものを変えてみることだ。前回の繰り返しになるが、普段の生活から、見るメディアや番組、読む本の種類、親や友人との会話の内容を意識して変えてみよう。つまり、今までの自分の角度を変えて、今まで知らなかった自分の興味の対象を発見する行為に取り組むというわけだ。
 そして、その対象が発見できれば、その興味の対象を切り口に、自分の知恵を総動員し、自分の努力で社会に対するアプローチを試みる。方法はインターンシップにこだわることはない。「仕事」という視点で社会人とのコミュニケーション機会を持ち、世の中を理解するための努力に汗をかくのだ。
 そこで方向性が見つかれば、業界研究や企業研究に取り組むべし。そのような段階になってはじめて就職サイトはツールとして役に立つ。
 もちろん、インターンシップの情報を見つけるという意味では、就職サイトは便利なツールだということは付け加えておく。

 検索サイトとはピンスポットで探したい、調べたい事柄が明確になってはじめて有効に機能するツール。今の皆さんの社会を見る目ではどうしても大手企業や有名企業にしか目がいかないし、それは仕方がない。将来の仕事に対するイメージがよほど確立された人でない限り、業界も企業研究も一方的に偏っては後から後悔をする。就職サイトに「発見のメディア」としての機能を期待しすぎると時間の使い方に失敗することは肝に命じておいてほしい。

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