速報!米国は景気・金利見通しを下方修正 今は英国国民投票の結果を待つしかない
景気・金利見通しの下方修正により、利上げが先送りされるとの観測が強まり、これがドル安につながる可能性がある。英国のEU離脱に関する国民投票の結果次第ではあるが、利上げが遠のけば、円高が強まり、円安を背景とした株価反発を期待する日本勢にとっては大きな痛手だ。
一方、日銀金融政策決定会合では、23日の英国のEU離脱に関する国民投票を控えていることもあり、FRB同様に追加的な政策は導入されない見通し。今回の結果を受けて、ドル円は一時、5月3日につけた安値を下回るなど、再び円高圧力がかかり始めている。今年のドル円の高値と安値の値幅はすでに16円であり、過去15年の平均をすでに達成している。そのため、現行水準から大幅な円高は、年内は考えにくいともいえるが、とにかく英国のEU離脱に関する国民投票の結果を待つしかないのが実情であろう。
オプションプレミアムの急落には要注意
市場では、リスクを考慮した動きがみられる。国債への資金シフトもその一例だ。ドルやユーロの上値が重くなっている背景には、国債利回りの低下も大きく影響している。投資家のリスク回避姿勢や、世界的な金利低下による運用難もあり、少しでも高い利回りを求めて、投資家は安全資産である国債に資金を投じようとしている。もはや利回りがマイナスになっている国債のほうが多くなっているのだが、この結果、投資マネーの国債への流入がさらなる金利低下を促し、結果的にユーロやドルの下落につながっている。
日本については、マイナス金利の深掘りが難しいとの見方もあり、日本国債の大半がもはやマイナス金利にもかかわらず、円が買われやすくなる事態に陥っている。専門家の中には、「日本の金利が低いので円安になるべき」との見方もあるようだが、市場が見ているのは金利の絶対水準ではなく、方向性である。「デフレ通貨は買われる」という基本に立ち返れば、円高基調の継続は不可避と考えておくべきであろう。
23日の英国のEU離脱に関する国民投票まであと1週間。その結果を想定して、あらかじめポジションを取ることはできない。株式取引や為替取引についても、相場勘に基づいたトレードは、よほどの上級者か資金的に余裕がある投資家以外はできる限り抑制すべきであろう。または、十分なヘッジ策を講じてから行うようにしたい。
市場では、オプション取引が活発になり始めているという。上昇・下落の両方に備える動きもみられているもようだが、賢明な判断であろう。ただし、その場合には、23日を通過したあとのボラティリティの急低下に伴う、オプションプレミアムの急落に注意したい。
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