舛添都知事「辞職まっしぐら」シナリオに暗雲 自民党が「逃げ道」を用意し始めたワケ
招致計画によればビーチバレーの仮設会場の建設費用は12億円だったが、実際には砂場造成に20億円から30億円かかり、スタンド設置に45億円も必要になる。それを大会期間の1週間で解体してしまうのはもったいないというのが森元首相の見解だが、これも都知事の協力なくして成り立たない。
このように、2020年東京五輪を巡って着々と枠が積み上げられている。参院東京選挙区で自民党の“第2の候補”として擁立されたビーチバレー男子元日本代表の朝日健太郎氏も舛添知事も、これらに組み込まれた枠のひとつといえるのだ。ならば自民党がたやすく放出できるはずがない。
では公明党はこれに同調するのだろうか。答えは“ノ―”だ。「舛添知事が自ら辞任が一番望ましいが……」。公明党関係者は苦渋の表情を呈した。他の政党が不信任決議案を出せば、その前に不信任決議案を出さなくてはいけない。他の政党の不信任決議案には賛成できないが、反対すれば「舛添知事を信任」してしまうことになりかねないからだ。これは是非とも避けなければならないことだ。
不信任決議案は可決される可能性
不信任案決議には、議員数の3分の2以上が出席し、そのうちの4分の3が賛成すれば可決する。都議会の現員数は123議席であるため、82人が出席して62人が賛成すればよい。56議席の自民党も不信任案に反対・棄権すれば、世論から「自民党は舛添知事を信任した」と批判を受ける。ましてや公明党が不信任案を出すのなら、これに反対できるはずがない(初出時、「よって56議席の自民党が反対しても、23議席の公明党が賛成すれば、不信任決議案は可決する」との記載がありましたが、上記のように訂正・追記しました)。
すでに舛添知事の進退問題は、東京都だけの問題ではなくなっている。6月7日の代表質問では、都議会のネット中継にアクセスが集中しすぎて視聴不可になった。各局のワイドショーも重要ニュースとして取り上げ、12日までに東京都に寄せられた舛添問題に関するメールや電話の件数は3万1000以上にものぼっている。
人の噂も75日というが、いまから75日後はまさにリオ・オリンピックの直後に当たる。それまで延命できれば、世間が忘れてくれると思うことなかれ。舛添問題に対する都民、そして国民の怒りは、為政者が思うよりはるかに深くかつ大きい。
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