舛添都知事「辞職まっしぐら」シナリオに暗雲 自民党が「逃げ道」を用意し始めたワケ

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自民党は下村博文前文科相が12日に記者団に「今のままいってしまったら、自民も不信任案にノーと言えないのではないか」と述べたことで、舛添知事に対する態度が決まったと見られていた。しかし物事はそんなに単純ではなかったようだ。

そもそも下村氏と舛添知事との間には、昨年6月に新国立競技場の一部費用580億円の負担を巡って決裂した経緯がある。国立の施設に自治体が経費を出すのは地方財政法に反すると主張する舛添知事に、文科相だった下村氏は根拠法を整備すると表明。これに対して舛添知事は「都民にどんなプラスがあるのかを国が情報を提供すべき」と反論していたのだ。

「どうも自民党は、知事の給与の半分をカットすることで事態を収めようとしているようだ」。先週末に公明党の都議がこう語った。「舛添知事が反省の意を示すことで、任期満了まで続投するというシナリオのようだ」。

ではそのシナリオの背景は一体何なのか。何が舛添知事の延命を画策しているのか。様々なルートから得た情報をまとめると、2020年東京オリンピック・パラリンピックに絡んだストーリーが見えてくる。

知事が変わると新国立競技場ができない!

新国立競技場の建設計画変更問題やエンブレム盗用問題などで、すっかりケチがついてしまった感がある東京五輪だが、最大の問題は資金不足だ。

招致段階では3013億円だった運営費は、最大1兆8000億円まで膨らんだ。その負担方法は、新国立競技場は国、大会後も使う恒久会場は東京都、大会後には解体する仮設会場は組織委員会と決められていたが、建設資材の高騰やテロ対策費用などで、とりわけ組織委員会の予算不足が深刻化。それを是正するため、今年3月31日に組織委員会会長を務める森喜朗元首相、遠藤利明五輪担当相と舛添知事の3名が会合し、負担の枠組みの見直しに合意したばかりだったのである。

ところがいま知事が変わると、その枠組み見直しが反故にされる危険性がある。一方で、舛添知事の存命に力を貸せば、都を思うように動かせるようになる。官邸はそれを望んでおり、自民党と通じて舛添知事の延命を工作しているという構図だ。

また森元首相は、都立の潮風公園に建設予定のビーチバレーの仮設会場を恒久会場に変更したいという強い意向を持っている。ここにも都知事の協力が必要だ。

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