日本株だけ「出遅れ放置」が続いている理由

長期筋も短期筋も海外投資家は様子見状態

その次のイールドレシオの底は今年の2月12日だ。実は、この週は2012年の底から185週に当たり、187週とほぼ同じだ。その後、イールドレシオは一本調子ではないものの、底入れからじわりと上昇に向かい、米国株式・債券市場における悲観の後退を示唆している。悲観の一巡には、絶好のタイミングであったと言える。

もう1つの市場は、貴金属のうち、白金の先物価格と金の先物価格の差(白金-金)だ。この差が上下する要因として、世界的な景況感の浮沈が指摘できる。なぜなら、金は用途の約8割が宝飾用だ。アクセサリー類も、もちろん景気動向の影響は受けるが、より景気との関連性が深い工業用など産業関連の用途は、15%程度と推察されており、ウエイトが低い。これに対し白金は、宝飾品需要は全体の2割程度にとどまり、半分が自動車触媒用、4分の1がその他産業用で、自動車を中心とした景気動向に影響されやすい。

この白金・金の価格差をみると、近年で最初の底が2008年12月19日、次が2012年8月10日、直近が今年3月4日と、前記のイールドレシオの底と、タイミングがかなり似通っている(ついでに、2012年8月の底の前に、2011年12月9日にやや浅い底を形成しており、やはりイタリアの財政懸念に呼応したものと推察される)。

この、米国証券市場と貴金属市場といった、全く異なる市場の符合は、シンクロニシティ(意味のある一致)と考えられ、ともに数年単位で、様々な市場が悲観から楽観に転じつつある流れを示しているのかもしれない。

日本株は悪循環に陥ったまま

ただ、世界の株価動向をざっと眺めてみても、中国株の体たらくは横に置いても、日本株の動きは、英国のEU離脱懸念を抱える欧州株と並んでぱっとせず、前述のロシア、ブラジル、米国の株価動向にはまったく及ばない。これまでの世界市場の波乱要因が、海外発のものばかりであるにもかかわらず、だ。10日、英インディペンデント紙が世論調査でEU離脱の支持率が上昇している、と報じたことを受けて、欧州諸国株が大きく下落したのはわかる。しかし、米国株価の下落がそれに比べ限定的で、円相場も対米ドルで107円近辺と落ち着いていることに対して、シカゴ日経平均先物の下げ(円建ての引けが1万6310円)は過剰反応に見える。

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