くら寿司のサイドメニューは何がスゴイのか 「しゃりカレー」に続くヒット作が次々に登場
毎月100種類以上の試作品の中から、商品開発トップの久宗裕行常務が30種類を選別。その中から、毎月実施される「商品ミーティング」で、「味を見極めるために、酒もタバコもやらない」と公言する田中邦彦社長の審査を経て、商品化候補を厳選する。
「しゃりカレー」の開発の際は、「ほかの役員がうまいと評価しても、私だけは10回以上はダメ出しをした」と、田中社長は明かす。そしてようやく、一部店舗での実験販売が始まる。
このような過程で開発したサイドメニューの中で、1番人気は茶わん蒸し、2番人気はうどんだという。ともに昆布を水から炊き、カツオブシや煮干を加えただしを使用する。すしメニューとの相性が良く、定価180円、130円と安いことも支持されている理由のようだ。3位は高齢者にも人気のうな丼と、幅広い層にウケるラーメンやコーヒーが競い合っている。
力を注ぐのはサイドメニューの拡充だけではない。現在、大阪府貝塚市の約1万5000平方メートルの土地に、漁港から仕入れた天然魚を丸ごと加工できる工場を建設中。総額20億円以上を投資し、2016年10月完成、2017年の本格稼働を目指す。
新工場稼働で何が変わる?
くら寿司は福井、三重、高知などの水産会社と契約し、船1隻が水揚げした魚を全量買い取る仕組みを構築している。貝塚新工場を稼働させることで、この全量買い取りを加速させる狙いだ。
全量買い取りが増えれば、さらなる原価率の改善につながる。たとえば、流通量が少ない真鯛やサワラやスズキ、カジキなども一般ルートより安く調達することが可能になる。
全量買い取りを進めることは品揃えの強化にも直結する。くら寿司は、 ボラやマヒマヒといった回転すし店では珍しい魚を100円で提供する「天然魚プロジェクト」を展開しており、調達先が増えればこのプロジェクトのラインナップを広げることができる。
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