くら寿司のサイドメニューは何がスゴイのか 「しゃりカレー」に続くヒット作が次々に登場

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業績の見通しはどうだろうか。くら寿司を展開するくらコーポレーションは、今2016年10月期について、売上高1100億円(前期比4.5%増)、純利益41.6億円(同0.4%増)と過去最高純利益の更新を見込む。

が、今上期の既存店売り上げは前年同期比2.3%増と、会社の通期見通しの同1.5%減を超過する勢いで推移しており、会社予想はさらに上振れる公算が大きい。

注目すべきは利益率の上昇

会社予想が上振れそうなだけではない。注目すべきは、利益率の上昇である。今上期の営業利益率は6.4%と、前年同期に比べて0.9%もアップした。回転すしは鮮度が求められる魚介類を扱うこともあり、原価率が高く利幅は薄いとされる。一般的な外食チェーンの原価率約30%に対し、回転すしチェーンは46~48%と言われる。ところが、くら寿司の今上期の原価率は45.7%と、前年同期に比べて0.5%改善し、業界平均を下回った。これらはサイドメニューの強化が功を奏しているためだ。

外食業界全体が低迷する中にあって、回転すし市場は拡大基調をたどる。ただ、4強と言われる「あきんどスシロー」「はま寿司」「カッパ・クリエイト」との競争は激しさを増している。特に、ゼンショーホールディングスが運営する業界3位のはま寿司は年間50店以上の出店を続けており、「売上高で業界2位のくら寿司は、来年あたりにはま寿司に抜かれるかもしれない」(業界関係者)との見方もある。

この見方に対し、くら寿司は売上高にはこだわらず、シェア競争に執着しないことを強調する。年間20店舗程度の出店で、いたずらに規模を追わない方針だ。サイドメニューや天然魚商品のさらなる強化により、「名より実」を取る。そうした姿勢が最高益を続ける強さの理由だろう。

梅咲 恵司 東洋経済 記者

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うめさき けいじ / Keiji Umesaki

ゼネコン・建設業界を担当。過去に小売り、不動産、精密業界などを担当。『週刊東洋経済』臨時増刊号「名古屋臨増2017年版」編集長。著書に『百貨店・デパート興亡史』(イースト・プレス)。

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