シェール革命で日本のLPG価格は下がるか

価格崩壊で余った米国産はどこへ

シェール革命を背景に米国価格が大幅下落

次に、世界のLPGマーケットに目を向けてみよう。米国・アジア市場のLPG価格推移を表したグラフを見てもらいたい。2011年後半から、米国価格がアジア価格に対し大幅に安価で推移し始めているのがわかる。

このグラフを見て、読者の方々の中には天然ガスのグラフと似ていることに気づかれた方も多いだろう。それもそのはず、シェール革命がもたらした天然ガスの増産が、LPG市場にも影響を与えたからだ。

このような価格差が生じた理由は主に2つ、米国でシェール由来のLPGの生産が急激に拡大したこと、また、その増産されたLPGは輸出基地の未整備のため行き場を失ったことだ。

従来、米国の需給は地産地消がメインであり、過不足が生じた時だけ輸出入で調整するほぼバランスのとれた市場であった。今般シェール由来のLPGが輸出能力を上回る勢いで生産されたため、行き場を失った米国産LPGの価格崩壊が始まった。

この米国産LPGをアジアに輸出した場合のコストを試算してみよう。諸々の輸送コストはトン当たり200ドル程度。現在のCPが900ドル、米国価格のモントベルビュー価格(MB)が400ドルであることから、理論的にはトン当たり300ドル安価なLPGを輸入することができる。

しかしながら、2011年の米国からの輸出量は3百万トンであり、その殆どが同じMB価格を指標とする中南米諸国へ販売されている。11年度の日本への米国産LPGの輸入量は全体の1%に過ぎないのが現状だ。

現在、米国では輸出設備の増設・新設が計画されており、13年末には新たに年間4百万トン輸出能力が拡大する見込みだ。さらに15年末には合計で年9百万トンと11年の3倍規模まで拡大する予定である。

年間9百万トンの輸出量は、サウジアラビアを凌駕し、カタール・UAEに次ぐ世界第3位の輸出国となり、米国産LPGがどこへ向かうのか注目が集まっている。

次ページ世界3位の米国産LPGはアジアへ向かうのか
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