ジャンボ機にこだわる「ドイツの翼」の秘密

日本の顧客はプレミアム戦略でつかむ

同社は先述の「B747-8」とエアバスが製造する世界最大の旅客機「A380」を合計で33機保有している。各機の座席は400~500席ほどで、そのうち100席近くをファーストクラスとビジネスクラスが占める。1席当たりのスペースはエコノミークラスよりも広くなるため、より大きな機体が必要になるわけだ。

ビジネスクラスのシート。「プレミアム戦略」が日本路線好調の要因になっている

シュポア氏は「これほど多くのプレミアム(ファーストとビジネス)シートを持つエアラインはほかにはない」と胸を張る。

「私がいつも言っているのは、ドライブのためにBMWがあるのと同様に、世界を飛び回るのにはルフトハンザがあるということだ」。

日本とドイツを結ぶルフトハンザの旅客便は、羽田空港からフランクフルトとミュンヘンへ毎日、成田空港からフランクフルトへ週3日、関西国際空港からフランクフルトへ毎日、中部国際空港からフランクフルトへ週3日、それぞれ設けられている。

「プレミアムサービス」を学ぶ相手とは?

フランクフルトは欧州経済の要衝であり、ビジネス需要が高い。現地に向かうビジネス客向けに、プレミアムを重視した戦略が日本路線を成功に導いたようだ。大型機による運航でも、毎月の搭乗率は概ね80%前後を維持している。「日本もドイツも、世界のほかの地域ほどの成長は見込めないが、非常に安定している。需要に合わせて成田から羽田に便を移すことはあったが、全体としては底堅い」(シュポア氏)。

ルフトハンザとANA。両社の関係は非常に密接なものだった(撮影:尾形文繁)

プレミアム戦略に磨きをかけるため、教えを請う相手がANAだ。シュポア氏は来日に合わせて、ANAの篠辺修社長と昼食をとったという。

ルフトハンザとANAは、1997年に航空連合「スターアライアンス」が結成された直後の1999年から提携関係にある。現在両社は、日本と欧州を結ぶ路線で、共同運航(コードシェア)だけでなく、収益も一体管理する共同事業(JV)を展開している。要は、日欧路線はルフトハンザとANAが実質的に1つの会社として運航しているということだ。

「(提携前の)18年前に若手マネージャーとして初めて東京に来たときは、ANAは国際線を始めたばかりだった。現在の姿を見ればわかるが、過去の経営陣がANAとの協業に投資する選択をしたのは正しかった」とシュポア氏は振り返る。

スターアライアンス発足時からANAとの折衝を担当してきたドナルド・ブンケンブルク日本支社長は「われわれは収益性の高い長距離国際線のノウハウをANAに提供してきた。そしてANAからは今、サービス品質の向上について学んでいる」と話す。

航空サービス調査会社・英スカイトラックス社の格付けでは、ANAが最高の「5つ星」に選ばれた一方、ルフトハンザは「4つ星」にとどまる。「5つ星を目指してANAを参考にする。機内食の開発や客室乗務員の研修を通して、特にビジネスクラスの改善を続けている」(ブンケンブルク氏)。

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