日系LCC、3社そろって黒字化でも尽きぬ不安 経営が安定飛行へ移るには難題が残っている

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成田空港を拠点とするジェットスター(奥)とバニラ・エアの機体。業績面でも離陸体勢に入った(撮影:尾形文繁)

春分の日の3連休初日となった3月19日。LCC(格安航空会社)専用の成田国際空港第3ターミナルは旅行客であふれていた。ここに拠点を置くのが、豪カンタス航空と日本航空(JAL)が出資するジェットスター・ジャパンと、ANAホールディングス傘下のバニラ・エアだ。

「ようやく認知度も上がり、使い勝手のよさが理解されるようになってきた」と、バニラの石井知祥・前社長は満足げに語る。同社はこの3月で終わる2015年度決算で、会社発足以来、初の営業黒字を計上する見込みだ。

一方のジェットスターも今年度上期(2015年7~12月期)に初の営業黒字となった。「当初の予算は赤字だったが、地方路線も含めた国内線で想定以上の集客ができた。何とか通期でも達成し、黒字化の計画を1年前倒ししたい」と、片岡優会長は意気込む。

路線拡大に手間取り赤字が続く

LCCのビジネスモデルは航空機を単一機種にして整備費などを抑え、なるべく多くの座席を配置することで安い運賃を実現。そのうえで、1機当たりの運航頻度と搭乗率をできるだけ高め、収益を確保するというものだ。

ただし、本社費用などの固定費を吸収するには一定以上の路線網を持つ必要があり、そのための目安となる保有機材数は10機程度とされている。

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