ANAHD社長「将来は宇宙を飛べる会社になる」 片野坂社長が語る、2兆円計画の真意とは?

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大勝負に出るANA、スピード経営でどんな路線、市場を狙うのか?
航空大手のANAホールディングスが大勝負に出る。今年1月末に発表した2020年までの中期経営戦略では「攻めのスピード経営」を掲げ、国際線の座席供給量を5年で5割増やす計画を打ち出した。売上高は2兆円、営業利益は2000億円の大台を突破させる算段だ。就任からちょうど1年がたった片野坂真哉社長に、戦略の真意を聞いた。(インタビューは2月上旬に実施)

 

――2025年までを見通した、昨年の「長期戦略構想」から1年が経ったタイミングで「中期経営戦略」を発表した。この間、どのような検討が行われたのか。

シンガポール航空やルフトハンザドイツ航空といった世界の大手航空会社は地球の反対側まで飛ばしている。ビジョンとして、たとえば南米やアフリカなども含めて地球規模のネットワークを持ちたいという思いがあって、2年後、3年後ではなく、10年ほどの長いスパンでありたい姿を描いたのが長期戦略構想だった。このときは2025年度に目指すべき水準として売上高2.5兆円、営業利益2000億円を掲げた。

この1年で本格的に精査をしていくと、営業利益は5年ほど前倒しで達成できそうということになった。足元の営業利益率がかなり上がってきているので、2020年度に売上高が2.1兆円前後でも営業利益2000億円が出せる見通しが立った。

通常の中期計画は3年だが、5年後には東京五輪が開催される。それに向けて羽田空港と成田国際空港の発着枠が(現状の1割以上となる)約8万回増加する見込みだ。最大のビジネスチャンスはこれら首都圏の発着枠にある。計画を作る上では、3年は短すぎる。

地球規模で、どう戦う?

――長期の構想では「地球規模のネットワーク」を示唆したが、今後5年で路線網をどう展開していくのか。

中期計画となると、われわれにとってのホワイトスポット(空白地帯)を狙いつつ、現実を見てしっかり収益を出せる路線を選ぶ。それが中南米、ASEAN、リゾートだ。

今年は中南米ではメキシコシティに就航する。ASEANではカンボジアのプノンペンが入ってくる。1月にはベトナム航空と資本・業務提携を結んだ。それ以外にもフィリピン航空やガルーダ・インドネシア航空という、(ANAが属する航空連合の)「スターアライアンス」の外ではあるが、非常にシェアの高い有力企業と組めているのは大きい。

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