恐ろしいのは、Yuiのタイムラインです。小中学生と思われる180以上のアカウントが、Yuiの投稿に「スタンプありがとう」というコメントをしています。1人1000円の儲けだとして、18万円。かなりの稼ぎです。しかも、子どもたちを手なずけている印象で、次のアフィリエイトへとさりげなく誘導していました。
ケース2の「スタンプ係」は、会員登録のアフィリエイトです。アフィリエイト元を見ると、1件紹介につき1000円の報酬でした。かなり報酬単価の高いアフィリエイトです。
今回登録させられたのは、アダルトを含むオンラインゲームのサイトでした。サイトには18歳未満の登録は遠慮してほしいとの記載がありましたが、生年月日を偽装するのは簡単です。報酬のためには、未成年が迷い込むことなど気にしていないのでしょう。
ケース3の「無料プレゼント」は、メルマガ登録のアフィリエイトです。実際のアフィリエイト元を見てみましたが、今回の2件の登録で800円の収入になったようです。
ただ、この件はアフィリエイトというよりも、ネットワークビジネスに近い内容でした。登録したメールマガジンには、儲ける方法を教えるセミナーの案内や、起業を促す動画の紹介が記述されています。「ビジネス成功の秘訣を教える。もう900人が参加している」などと煽動される内容が毎日送信されてきます。スタンププレゼント目当てに登録するのは子どもが多く、今すぐネットワークビジネスの渦に巻き込まれることはありませんが、メールアドレスは先方に渡っているのです。この先、高校、大学と進んだとき、トラブルに巻き込まれないか心配になりました。
子どものメールアドレスが抜かれてしまう事実
ここまで、連絡が取れた3つのアカウントを検証しましたが、すべてアフィリエイト目的で行っており、どれも子どもたちをかかわらせたくない内容でした。
今回連絡を取ったのは、全部で12アカウント。そのうち返事すらなかったアカウントが6、「今はしていない」というアカウントが3、指示に従ったのにくれないアカウントが2、スタンプをくれたアカウントが1つです。プレゼント目当てにこの12アカウントを「友達追加」し、相手にLINEアカウントを知られましたが、手に入れられた有料スタンプはたった1つです。
小中学生を持つ保護者の方は、ぜひこの結果をお子さんに話してあげてください。そして、「知らないLINEアカウントとは友達にならない」ことを何度も言い聞かせましょう。「スタンプをもらったらブロックすればいい」と言い返してくるかもしれませんが、その作業はリスクをはらんだものばかりです。有料スタンプが欲しい場合は家のお手伝いをするかお小遣いで買うなど、親子で話し合いを持つといいですね。
※文中のアカウント名や画面はすべてダミーです。
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