なぜ「酒の価格」に国が口出しをできるのか 安く売るための企業努力は無視?
量販店などで酒の過度な安売りができないよう規制する法案が、今国会で成立する見通しだ。酒税法を改正し、仕入れ価格を下回るような安売りを禁止。従わない場合は、50万円以下の罰金や酒類販売の免許取り消しなどの処分を科せるようにする。
大規模のスーパーや量販店では、酒の安売りが激化しており、「集客」を目的に、仕入れ値以下で販売することもある。こうした「行き過ぎ」を規制することで、中小の販売店を救済する狙いだ。
独禁法で「不当廉売」が禁止されている
酒の販売価格をめぐっては、国税庁が2006年に過度な安売りをやめるよう取引指針を出しているが、法的な強制力がなく、効果が限られていた。
一方、法案が可決すれば、酒の値上がりを招きかねないことから、ネットでは「安く売るための企業努力は無視?」「国が市場に介入しすぎ」といった批判的な意見が集まっている。
酒を仕入れ値より安く販売するのは、企業努力や戦略とは言えないのだろうか。どうして国が価格設定に口出しできるのだろうか。独占禁止法(独禁法)にくわしい籔内俊輔弁護士に聞いた。
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