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キャリア・教育 #「若き老害」常見陽平が行く サラリーマン今さら解体新書

「地域再生の進まない街」が抱える残念な特徴 気鋭の経済学者が日本経済復活のカギを語る

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  • 常見 陽平 千葉商科大学 准教授、働き方評論家
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常見:めちゃくちゃ通勤時間ありますからね。

通勤時間60分の壁

飯田:通勤時間が60分を超えると趣味に使える時間が一気に減るんですよ。なぜなら一日のうちに2時間、3時間電車の中にいたら、疲れるのでゆっくり休みたいじゃないですか。

余裕のある生活がクリエーティビティの源泉であるとしたら、実はもう東京は効率的な街ではない。

通勤時間が30分で渋滞もあまりないのなら、そのほうが生産性は高くなるんじゃないかと。ただ、田舎過ぎても厳しくて50万以上の人口は必要だと思います。田中秀臣さんが指摘していますが、それぐらいの規模の都市だとご当地アイドルが存在できる。アイドル、タレント、そして文化人という「ようわからん人」を食わせられる。

結局、アイデアって数で生まれる側面がある。人と人とが繋がることでなんとなく出てくるしかない。例えばIT系の実業家がなぜシリコンバレーに行くかって、シリコンバレーに同業のトップのいろんな人がいるので、その人たちと喋っているとなんかアイデアが出てくるから。

常見:100人が1人ひとつずつアイデアを出せば、凡人でもそれなりのものがある。

飯田:日本は3人寄れば文殊の知恵っていうけど、3人は厳しい。50万人寄れば文殊の知恵も出てくるんじゃないかって。小さくても集積の力があると感じたのは被災地でした。東日本大震災の場合、都市の中心機能を失った町が多い。岩手県だと、沿岸部の街々は中心地が破滅的な被害を受けました。そうすると、ちょっと内陸部に仮設店舗群をつくるんですね。例えば、スナックが一カ所に集まらざるを得なくなる。

そうすると、意外と「街っぽさ」が出てくるんです。田舎に行けば行くほどスナックって分散しています。極端な例としては、国道沿いに、ぽつんと駐車場とスナックが2軒。これだと、はしごが出来ないんですよ。それが集まったらなんとなく活気が出る。飲み屋を10軒はしごする人はいないけど、たくさん店があったほうがなんか楽しい。

常見:場作りって大事だなあってことで。あそこに行くことでなんかあるぞ、毎晩飲みに行っても飽きないぞ、とか。

飯田:行ってから考えるみたいな。その意味で、地元が活性化して、地元でビジネスのアイデアを生み出す力をもらえるようになると、地域の経済……というか経済以外も回り始める。

高齢者が生まれ故郷にJターンするというのも一つの流れになりつつあります。例えば東京で30年サラリーマンをやった後だと、故郷の村に帰るのはもう無理。本当の田舎生活は不可能なんだけど、故郷に一番近い中核市ならば住める。松本市の駅の周りとか高齢者対応のマンションが増えているのは、長野県中部の村生まれなんだけど、そこまでは帰れない。だけど地元は好きという人が集まっています。

富山市も同じ。僕の母方は魚津ですけど、魚津ですらちょっと微妙かもしれない。東京からのJターンだと富山や高岡がターゲットになったりする。

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【住みたい町は、実際は住まざるを得ない町?】

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