円安攻勢をかける自民党 市場動向を読む(為替)

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上記のとおり、建設国債の日銀引き受けは、単なるブラフ(脅し)のようだが、年明け後に開会する通常国会で、今年度補正予算、拡張的になりそうな来年度予算が決定されるに伴って(つまり、財政赤字拡大に伴って)、日銀は資産買い入れ基金の規模拡大を迫られることになりそうだ。来年4 月に白川総裁の後を引き継ぐ新日銀総裁には、安倍総裁率いる自民党が求める大胆な金融緩和に前向きな人物が選ばれることはほぼ間違いなかろう。

市場は先々までの円安リスクを織り込む

こうした中、ドル円相場は自民党政権誕生と日銀の金融緩和拡大を見越して、足元82円台までドル高円安が進んできた。シカゴ通貨先物市場でヘッジファンドなどによる円売りポジションが急拡大するなど、投機主導で円安色が強くなってきた。

オプション市場でも、通常は2~3週間から長くても2~3ヵ月ほどの時間軸でポジションをとることの多いヘッジファン等が、半年や1年程度の時間軸で円売りポジションを構築する動きが顕著になっている。中長期的な観点で、日本の政治環境や金融政策の変化が為替相場における円安として実現してくることを、時間をかけながら見定めるつもりなのだろう。

通常、ここまで投機的な円売りポジションが溜まってくると、逆に持高調整による円急騰の方を警戒する必要が生じるが、今回の円安局面に関しては、従来に比べ持高調整は発生しにくいと思われる。ただし、その分、かなり先々までの円安リスクを市場は織り込んでしまったことになる。

上記の通り、来年のドル円相場は、消費税引き上げを前にした底堅い内需とそれに伴う国際収支悪化を受け、今年よりもややドル高円安気味で推移する公算が高い。ただ、それでも、今年春につけた84円前後ではドルの上値が重くなることが想定され、78~84円前後を中心とした中長期的な保ち合い相場が継続すると予想している。

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