格安航空8社連合は一体どれだけ戦えるのか 大手軸の世界3陣営に挑む新興勢力の全貌
一方、エアアジアグループやジェットスターグループは、複数の国・地域でフランチャイズ方式も含めて航空会社を運営しており、それぞれの自社ネットワークについては乗り継ぎがスムーズに行く仕組みを構築してきた。
エアアジアグループは、インドネシアやタイなどのグループ会社8社で保有機は204機、路線数は200以上、就航都市は100都市以上。ジェットスターグループも日本国内で展開するジェットスター・ジャパンも含めた4社のグループ会社全体で保有機は122機、路線数は180以上、就航都市は75都市以上となっている。
対してバリューアライアンスは、8社合わせて保有機は176機、路線数は重複する路線を含めて247路線、就航都市は160都市であり、保有機数ではエアアジアグループよりも少ない。
タイ・エアアジア(タイ)
エアアジア・インドネシア(インドネシア)
エアアジア・フィリピン(フィリピン)
エアアジア・インディア(インド)
エアアジアX(マレーシア)
タイ・エアアジアX(タイ)
インドネシア・エアアジアX(インドネシア)
エアアジア・ジャパン(日本)※就航準備中
ジェットスター・アジア航空(シンガポール)
ジェットスター・パシフィック航空(ベトナム)
ジェットスター・ジャパン(日本)
(※上記データは2016年5月16日現在)
アライアンスを組み両ブランドに対抗
正直、バリューアライアンス発足時に顔を揃えた8社の知名度は世界的に高くない。日本の読者にとって初めて名前を聞いたようなLCCも多いだろう。エアアジアとジェットスターの両ブランドが圧倒的に強く、各社でこの2強に対抗するのは難しい。そこで、アライアンスを組むことによってバリューアライアンスという枠組みの中で両ブランドに対抗していくことになる。
バリューアライアンスの構想は、シンガポールのスクート、タイのノックエア、ノックスクートの3社が2014年半ばに持った話し合いが出発点だったようだ。すでにこの3社間はシステムを接続して、乗り継ぎ旅程も予約できるようになっており、これをもっと拡大していきたいと考え、多国間でのLCC連携を模索した。昨年から他のLCCに声をかけて賛同してくれた航空会社が集まり、今回のバリューアライアンス設立に至った。
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