中年のゆがんだ“mixi愛”

好きだから、いじめちゃう?

それでもユーザーは増え続けた。04年7月に5万人だったのが、10年4月には2000万人に。その結果として「5年使ってます」という古参から、「昨日始めました」という初心者までが同じサービスに混在。それぞれがそれぞれのマイルールを主張し、お互いにとって居心地が悪い世界になっていた。

ユーザー層の拡大は、ネットリテラシー平均値の低下も意味した。明らかなデマがmixi日記で拡散していったり、「バトン」と呼ばれるチェーンメールのような日記が流行ったり、犯罪自慢など炎上事件も相次ぎ、リテラシーの高い古参のユーザーをうんざりさせていた。振り返ってみるとmixiで、後のTwitterとまったく同じ問題が起きている。我々はなんと学習しないものだろうか……。

09~10年ごろmixiには相次いで新機能が導入されたが、これがまた古参の反発を招いた。同窓生や会社の同僚を探せる機能、マイミク一覧で実名を表示する機能……

リアルの人間関係をmixiに反映させていた“リア充”な若年層には便利なサービスだったが、mixiをハンドルネームで利用し、ネットとリアルで顔を使い分けていた中年古参にとっては致命的な「改悪」だった。一方、古参が愛していた「コミュニティ」は目立たない場所に移動し、「足あと」は廃止されてしまった。

「もう私たち、ダメかもしれない」。mixiの存在が重たくなるたび、機能が“改悪”されるたびに古参は、mixiとの別れを考えた。別れが惜しくて、本人に直接、文句をぶつけた。機能変更反対を訴えるコミュニティを作ったり、「足あと」復活を求める実名の署名を行ったり。古参は「あのころのmixi」への愛を、大きな声で叫び続けた。

思い入れが深すぎる古参の存在は、mixiにとっても重たかったかのもしれない。mixiが再び振り向いてくれることはなかった。「mixiはもう、私たちのものじゃない。リア充のものになってしまったんだ……」。恋に破れた古参は、あっさりTwitterに乗り換えた。が、Twitterとの蜜月も長くは続かなかったことは、前回のコラムで書いた通りだ。

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