石井:まだ40だし、見た目もお若い。本当に優秀な人って、年齢とかまったく関係ないですね。
塩野:いやいや(笑)。コンサルタントは実年齢よりも上に見えたほうがいいですからね。20代のときは、もう本当にオッサンぽくしたかったです。そうこうしているうちに実年齢がだんだん追いついてきて、今追い抜こうとしているわけです。
さて、本題に入ります。石井さんのキャリアストーリーを伺いたいのですが、マッキンゼーを辞めて、芸人の世界に入られてから何年になりますか。
石井:2009年夏にマッキンゼーを辞めているので、なんともうすぐ7年経っちゃいます。マッキンゼー時代が1年ですから、もうその7倍ですね。
塩野:7倍。700%。そういう計算しちゃいますか。
石井:はい、そういう計算しちゃいますね。この世界ですでに700%の期間を過ごしているんだな、と。ただ、養成所に1年いましたし、その後、何やかんや1年、何もやってなかった時期があるので芸歴は5年目と言っています。
平日の昼間に家にいていいことのつらさ
塩野:勤めていた頃といちばん何が変わりましたか。
石井:まず、月曜日から金曜日まで、朝起きても通う場所がないんですよね。これはけっこう大きな変化でした。平日の昼間に家にいてもいい。まず自分の中の常識を塗り替えるところから始まりましたね。
人間って不思議なもので、暇だとうれしいわけじゃない。病むんですよ。あの「マズローの欲求段階」って、よくできていますよね。社会に承認されてない、所属している組織がない、という状態に置かれると、人はものすごく不安に駆られるんです。
塩野:マグロやカツオみたいに泳ぎ続けていないと死んじゃう人、いっぱいいますもんね。
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