インターンシップで気をつけたい「落とし穴」 夏休みから3年生の就活準備がスタート!

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学生にも同様に参加期間を尋ねると、2014年度の最大は「3日以上1週間未満」で35.0%だったのが、2016年度はやはり「1日」で、しかも53.2%と半数以上にのぼっていました。

たった一日で「就業体験」なんて、果たして可能なのでしょうか?

実際に1日プログラムに参加した学生は「事業内容などの説明の後は、グループに分かれてフィールドワークを体験。猛スピードで進んでいる感じだったが、その業界や仕事に対する理解が深まり、いい機会になった」と話します。

1日プログラムの多くは、冒頭に業界の仕組みや仕事の特性などのレクチャーを受けた後、社内や関連企業の現場の見学を経て、実際の顧客対応等のロールプレイングを行い、顧客役の先輩社員等からフィードバックをもらった上で、体験の中での気づきを振り返って終了、といったものです。

実際の営業現場に同行し、その感想をまとめてプレゼンする、といったパターンもあります。いずれも“ダイジェスト版”の就業体験と言え、その仕事を深く理解するには時間が足りないのは明らかですが、自分はその仕事で活躍できそうか、その仕事に携わることでワクワクできそうか、といった感覚的なものは、机上で企業研究するよりもずっとスピーディに多くのことが得られるはずです。

こんな落とし穴に要注意!

一方で、参加してみると「1日のプログラムだったが、単なる会社説明会」「4週間受け入れてもらったが、アルバイトと変わらなかった」という声があるのも事実です。期間もさることながら、プログラム内容を吟味することで、その経験を有意義なものにすることができそうです。

またインターンシップの内容によっては、インターン生が「労働者として、使用者から業務に係る指揮命令を受ける者」とみなされることがあります。そうした場合、企業は労基法等の労働法規を遵守しなければなりません。参加する学生側もそれを認識し、不当な条件でないか等を確認するように心がけて欲しいと思います。

一方で、参加学生が、例えば物を壊してしまうなど、受け入れ企業に損害を与えてしまう可能性も考えられます。そうした場合に備えたインターンシップ保険などもありますので、万一を想定して保険加入しておくとよいかもしれません。

もう1つ、学生の常識が通用しないケースも多々あることも意識する、特に情報管理については、細心の注意を払う必要があります。例えばSNSでの発言等でのルール・マナーをしっかり守るなど、後々のトラブルを回避するよう努めたいところです。

このように、プログラム形態や期間などが多様化し、ややもするとわかりにくく、また参加する上での留意事項もいくつかあるインターンシップ。しかし、進路選択に有益な情報を得るチャンスであることは、間違いありません。

学生の皆さんにはぜひ、自分がこのインターンシップ経験を通じて何を得たいのか、それを叶えるプログラムは一体どんなものかをしっかり吟味して、貴重な機会を有効活用して欲しいと思います。

岡崎 仁美 リクルートキャリア 就職みらい研究所所長

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おかざき ひとみ / Hitomi Okazaki

1993年(株)リクルートに新卒入社。以来一貫して人材関連事業に従事。転職情報誌『B-ing関東版』副編集長、転職サイト『リクナビNEXT』編集長、『リクナビ』編集長を歴任。2013年3月、就職みらい研究所を設立し所長に就任。現在、内閣官房「地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議」「地方創生インターンシップ推進会議」、文部科学省「インターンシップ推進方策実行ワーキンググループ」等の委員を務めている。

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