「反対ばかりする人」は、実は頼りになる人だ こうすれば一転「強力な賛成者」に変わる

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経営学者ジョン・P・コッターは、著書『企業変革力』で、同じことを指摘している。

「変革のための連帯チームを作っていく際に、次の2つのタイプの人材は、何としてもチームに参画させてはならない。第一は、きわめて大きなエゴ(自我意識)を示し、ほかの人たちがとても入り込む余地がないほどにエゴを発散する人材である。第二は、私が蛇と名付けている人材、つまりチームワークを殺すような不信感をチーム内に生みだす人材である」

また「ペイパル(PayPal)」の創業メンバーであるピーター・ティールは、著書『ゼロ・トゥ・ワン』でこのように述べている。

「スタートアップは少人数で経営資源も限られている。素早く効率的に動かなければ生き残れないし、それには同じ考え方の人が集まっている方がやり易い。初期のペイパル・チームがうまくいったのは、全員が同じタイプのおたくだったからだ」

最初の段階では、危機感と目的を共有する少人数のチームでスピーディにプロジェクトを立ち上げることが必要であることがわかるだろう。

しかし一方で、反対者を無視し続けるわけにはいかない。反対派の中にはキーマンもいるからだ。だから対話を続けることは必要だ。

反対派と無関心層の違い

実は反対派と無関心層は、大きな違いがある。反対派は関心を持っている。そして何らかの理由で反対している。感情的な理由で反対している場合、説得は難しい。しかし合理的な理由で反対している場合、それは賛同派にとって参考になる場合も多い。そこで「議論」が意味を持ってくる。

ここで重要なのが、正しい「議論」をすることだ。議論には「ディベート」と「弁証法的議論」の2種類がある。一般的に議論というと、相手の意見を打ち負かす「ディベート」を思い浮かべることが多い。ディベートの目的は、相手の主張をねじ伏せることだ。「ダメなものはダメ」「ここではやり方が違う」「わけがわからない連中に意見を通してやる」という考えで議論に臨む。言い換えれば言葉の決闘だ。ルールの下、必ず「勝者」と「敗者」が生まれる。これは現在の自分たちを守る後ろ向きの発想だ。「お互いのいい部分を取り入れて、新たな価値を生み出そう」という未来志向の考え方ではない。

本来求められる議論は、「弁証法的議論」だ。意見が異なる相手に対し、「自分はこう考える。しかし他にもっとよい考え方があるかもしれない。一緒に考えよう」という態度で話し合い、よりよい解決策を探っていく。こちらの主張(正)と相手の主張(反)を持ち寄って、より望ましい結論を探し、場合によっては主張を変え、相手の良い点を取り入れ、新しい価値(合)を生み出す。そして双方が「勝者」になるのだ。

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