理解が追いつかない「発達障害」と生きる

医師も親も迷っている

発達障害の息子を持つ母は、他の子どもとの違いにどうしても目がいったという。息子は以前は公園でひとりポツンと遊んでいた。あえて早朝、誰もいない公園に行った時期もあったという(写真:堀内慶太郎)
2005年に「発達障害者支援法」が施行され、丸11年が経過した。今年は法改正の動きもある。だが、「発達障害」という言葉だけが先行し、困難さを伴う日常への理解と支援の手が追いついていない。

自閉症は知的に遅れのない場合、発見されにくい

「うちの子、なんかおかしい?」

小学5年生の長女がいる母親は、長女が幼児の頃にそう気づいてから診断がつくまで、気が遠くなるような時間を過ごした。

ベビー講座でよその子が母親のひざの上で手遊びしていても、長女はハイハイで脱走。歩き始めてからは、店で商品を取ろうと一瞬手を放すと、あっという間に消えていなくなった。自宅ではカーテンをレールごと引きちぎり、ふすまに穴を開け……。歯みがきをさせるだけで、この世の終わりのように泣き叫んだ。

「いつも、ご近所から虐待を疑われ通報されるんじゃないかとびくびく生活していました」

3歳半健診の時に相談した保健師は、「聞かれたことには答えられるし、子どもはこんなもの」と取り合わなかった。

たまたま別の地区に引っ越して、巡回の保健師に状況を話すと、すぐに病院につなげてくれた。長女は「自閉症スペクトラム」と診断された。

「ショックはあったけれど、診断がついてほっとした部分もありました。私の育て方の問題じゃなかったんだと」

自閉症は知的に遅れのない場合、より発見されにくい。

「最初の保健師さんは、スパンッと切るのじゃなく、いつでも連絡できる窓口などの情報を教えてほしかったと思います」

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