日銀に圧力を掛けるだけなら、再び円高に

市場動向を読む(為替)

日銀や政府の対策に対する期待により、海外短期筋を中心とした円売りは活発化し、11月16日のドル円相場ニューヨーク終値(81.30円)と日米2年物金利差との相関から算出されるドル円相場の均衡レベルとの乖離幅は、今年3月のピークと同レベルまで拡大してしまっている。

政府・政治家が日銀に圧力を掛け、外債購入といったマーケットを動かす手段しか考えず、需要喚起のための抜本的な規制緩和、制度改革、税制改正等の策を打ち出さなければ、市場は失望し、円を買い戻すことになるであろう。

当局者・政治家の中には、市場の動きが実体経済を動かしているかのように考えている人がいるようだが、実際には市場は実体経済の状況を映し出す鏡でしかない。鏡の向きを変えて映る姿を変化させても、実体が変わっていないのであれば、鏡の向きを元に戻せば同じ姿を映し出すことになる。本当に変えなければいけないのは、鏡に映る姿ではなく、実体の方である。

来る総選挙後に樹立される政権がやるべきことは、乾いた雑巾を絞ることしかできなくなっている日本銀行の金融政策に圧力をかけることではない。期待されているのは、実体経済を変える政策を自らが取ることである。
 

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