日銀に圧力を掛けるだけなら、再び円高に

市場動向を読む(為替)

また、日銀が直接引き受ける結果、その分だけ財政支出を増やすのであれば効果は期待できるだろうが、今のところ何の問題もなく市場で消化できている国債発行を、日銀引き受けに換えるだけでは、国債の保有者が替わるだけである。国債発行(つまり財政支出)が増えないのであれば状況は何も変わらない。

名目金利がゼロである中、金融政策で為替相場に影響を与えるためには、期待インフレ率を高め、実質金利を押し下げる必要があるが、実体経済に資金が出ていかない中で、金融政策だけで期待インフレ率を高めるのは困難である。

日本経済に本当に必要なのは実体経済変える政策

日本経済に必要とされているのは、日銀が供給している資金が実体経済に流れ、その結果、需要が高まり、そして需要増によるインフレ圧力が強まり、為替相場も円安方向に修正されるという動きである。

これを実現するためには、10月30日に日銀と政府が発表した共同文書(『デフレ脱却に向けた取組について』)に記されている通り、政府が「デフレを生みやすい経済構造を変革する(ために)・・・・・規制・制度改革、予算・財政投融資、税制など最適な政策手段を動員する」ことが必要である。

日銀は11年に入って以後の約2年間で、バランスシートの規模を対GDP比で27%から33%まで6%ポイント拡大した。一方、FRBは17%から19%の2%ポイントの拡大にとどまっている。

それでもドル円相場は11年初とほぼ同レベルで推移している。現在発表されている政策を元に13年末の状況を推計すると、日銀のバランスシートは対GDP比40%前後になる一方、FRBは20%強程度にしかならず、日銀のバランスシートの規模はFRBの倍近くなることが予想されている。それでも為替相場に影響が出ないのは、名目金利がゼロの中で流動性だけ供給しても何も変わらないからである。

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