新モデルが続々登場、SUV人気再燃の理由 スバルが新型フォレスター

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たとえば、今から5年前を振り返ってみよう。07年4~9月の車名別ランキングでみるとSUVで最も売れていたのはハリアーの30位(1万5869台)が最高だった。コンパクトカーやワンボックスのミニバンの人気が高い点は今も5年前も同じ。今は「プリウス」「アクア」といったハイブリッド専用車が上位に食い込んでいる点も違う。

それに加えて目についたのが、5年前にランクインしていた「プレミオ」「アリオン」(いずれもトヨタ)のような中級セダン。今は上位ランキングから姿を消してしまっている。かつて人気を誇ったミニバンで上位に食い込むモデルも、相対的に少なくなった。

いったん下火になった人気が再燃か

もともと国内のSUVの先駆となったのはトヨタ「RAV4」といわれる。バブル崩壊後の1994年に登場し、当時のヒット車種となった。その後、ホンダ「CR-V」などが続き、人気を博したが一時は下火になっていた。

ここへ来てSUV人気が再燃しつつあるのは、もともと市場縮小が止まらなかったセダンに多くの消費者が完全にそっぽを向き、かつて人気だったミニバンにも飽きてしまいつつある中で、SUVのデザインやコンセプトに再び目新しさを感じているという流れがありそうだ。国内のSUV市場について臺プロジェクトゼネラルマネージャーは「現時点で年間20万~24万台ぐらいはあり、今後も伸びるだろう」と語る。

一方で、各社の新型SUVがそろい踏みすることで、競争も激しくなりそうだ。デザインやコンセプト、性能、居住性などといった商品性とともに、販売・マーケティング力も試される。SUV人気の復活とともに、自動車メーカーの新たな闘いが幕を切って開けた。

(撮影:尾形 文繁)

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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