小型車優勢の国内にSUVで勝負するスバル 独自路線を追求
「ミラージュ」(三菱自動車)、「ノート」(日産自動車)、「up!(アップ)」(フォルクスワーゲン)--。
ここ最近、国内に投入された新型車はコンパクトカーばかり。燃費が良く購入費や維持費も安いコンパクトカーは、一昔前に比べて動力性能や品質とともにデザインも格好良くなり、所有する満足感が増した。「コンパクトカーで十分」と考えるユーザーも増えてきており、大手自動車メーカーが力を入れるのも当然である。
一方、看板車種の「レガシィ」「インプレッサ」を軸とする富士重工業(車名ブランド・スバル)は、あくまでも独自路線を貫く。9月25日に発表、10月5日に国内向けに発売する新型車「インプレッサXV」(=写真=)はその象徴だ。
「インプレッサXV」は、クロスオーバーSUV(スポーツ多目的車)と位置づけられるインプレッサの派生車種。最低地上高が200mmと一般的なセダンやステーションワゴンと比べて高めに設定されていながら、全高は1550mmと都心部の繁華街やマンションなどに設置されていることが多い機械式の立体駐車場に収まる。「日本での便利さを考えた設計を意識した」(商品企画本部の竹内明英プロジェクトゼネラルマネージャー=写真左=)。
エンジン排気量は2000cc。価格も219万4500円からと国内新車市場においては、中級以上の車種に属する。走る楽しさを重視するユーザーや若い世代がターゲットで、競合車種としては「マツダさんの車になる」(国内営業本部長の飯田政巳執行役員=写真右=)と、販売好調なマツダ「CX−5」などを意識。国内での月間販売目標は1000台としている。