部下は「プチ志」を語る上司についてくる 優れたリーダーは「価値観の共有」を重視する
解説Ⅰ 価値観と効率
組織の問題には、価値の側面と効率の側面があります。価値の側面は好き嫌いと言ってもいいでしょう。温かみのある職場、明るい職場などは、価値の側面を表現しています。一方、効率の側面は、売上高や利益率、歩留まりなどとなります。そして、効率は計数的に把握できるがゆえに管理しやすく、価値は管理しにくいと思われます。特に、価値判断の基準が曖昧な場合、それは管理しにくいものとなります。
職場で考えてみましょう。効率に関する判断は上司と部下の見解が一致しやすいので、部下は自主的に自分で判断できるでしょう。一方、価値に関する判断は、上司が判断基準を示さないかぎり、部下は自分の判断が上司の判断と合致するのかどうかわかりません。その結果、価値に関する判断については、部下は上司に依存しがちになります。
そこで、上司が価値判断の基準を部下に語ることが大切になります。「何のためにその仕事をするのか」の説明です。組織にとって、経営理念が大切であるのと同様に、職場には職場の運営理念(価値判断の基準)が大切なのです。
部下は「預かりもの」と考える
中嶋の問い②:部下をどうしたいの?
中嶋:今、君の部下はどんな気持ちで会社に出てきていると思う?
宇貝:う~ん。難問ですね。明るい気持ちできてくれていると思うんですが。
中嶋:もう少し聞くよ。君は部下をどうしたいの? 君の部下から社長を育てたいと思う?
宇貝:社長を育てたいなんて思ったことはありません。私もそうならないでしょうし。
中嶋:では、部下をどうしたいの?
宇貝:う~ん……。
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