日経平均1万7000円回復は、もう無理なのか 4月の米雇用統計で見えてきたこと
この発表後、為替市場では、ドル円は107円01銭から106円46銭へ下落、4日以来の安値を一時更新。一方、「225ナイトセッション」では、日経平均先物が1万6000円を割り込む場面もあった。
ただ、平均時給の想定外の伸びにスポットライトが当たったほか、ダドリーNY連銀総裁が年2回の利上げ見通しを示したことなどから、結局はドル買い円売りが進み、ドル円は発表前の水準と同じ107円10銭前後、日経平均先物は1万6020円と日中取引比60円安の水準まで戻している。
シカゴ・マーカンタイル取引所が算出している米国政策金利の市場予想を示す「Fedウオッチ」では、雇用統計発表前に6月のFOMCで利上げ実施を予想する割合は9.4%(6日二本時間19時30分)だったが、6日には一時5.6%まで低下している。
「Fedウオッチ」とは、米フェデラルファンド(FF)レート先物から利上げ時期の確率を割り出した指標のことだ。つまり、「どれだけの市場関係者が利上げを見込んでいるか」を探るには、もってこいの指標と言える。
雇用統計発表後のFedウオッチの変化を見る限りでは、市場関係者の多くは6月の利上げは無いと見ているようだ。今回の雇用統計の内容は6月利上げ先送りのダメ押しといったところか。では、次に利上げが有力視されていた9月はどうなっただろうか?
FRBの今年の利上げは、「9月以降あと1回」が大勢に
発表前、利上げを想定する市場関係者は33.5%(6日19時30分)だったが、発表後は33.7%とさほど変化は見られない。一方、12月では発表前も後も51.5%。つまり6月の利上げはほぼ無くなったが、「9月もしくは12月には利上げを実施する」と想定している市場参加者が過半数を占めているというわけだ。
Fedウオッチでは、12月の金利を1.0%以上と想定している市場参加者が12.9%いることから複数回の利上げを想定しているケースもあるようだが、年内1回の利上げは9月もしくは12月に実施するという見方が市場コンセンサスと言えよう。
6月15日に開催されるFOMCの前に、5月の雇用統計の発表を控えているが、市場関係者の見方としては「6月利上げは無し、9月もしくは12月に1回」というのが、現状のコンセンサスと言えよう。昨年利上げが発表された際には、「2016年には4回の利上げを実施」と見られていた。足元の円高加速は米利上げペースの鈍化だけが要因ではないが、半年も経たないうちに見方がこれだけ変われば、円高にふれても仕方無いといえようか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら