新幹線から眺める数分間の「天下統一の歴史」 実は名古屋城天守も見える?車窓から城巡り

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さて、城は車窓から眺めるだけではもったいない。新幹線からよく見えるスポットは、逆に新幹線がよく見えるスポットでもある。城下を見晴らす役割のあった天守は、特に新幹線がよく見える場所だ。新幹線から眺めた城を訪れると、その位置関係や周囲の地形にも興味が湧き、地理と歴史の生きた勉強になる。

おすすめは清洲城と掛川城

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実際の清洲城があった場所は、天守を通過した直後のこの辺りだ

東海道新幹線を眺めるなら、おすすめはやはり線路に近い清洲城だ。歴史的な価値はほとんどないが、名古屋駅を発車して濃尾平野を駆け抜ける新幹線の勇姿をたっぷりと楽しめる。

在来線も並走しているので、金沢行き特急「しらさぎ」や高山行き特急「ひだ」も見ることができる。電車の眺めを楽しんだら、鉄道に貫かれてしまった清洲古城址も訪ねてみよう。

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掛川城の天守からは16両編成の新幹線が全速力で走る様子を眺められる(2009年撮影)

そして、掛川城からの眺めも素晴らしい。清洲城よりはやや距離があるが、牧之原台地を抜けて天竜川の扇状地へ出ていく様子をじっくり見られる。目の前に掛川駅があり、「こだま」が「のぞみ」に抜かれる様子も観察できる。新幹線を降りて、徒歩10分ほどで行けるのも魅力的だ。

新幹線の車窓は、車内から見て楽しむだけでなく、実際に訪れてみるとより興味深く楽しめる。普通の観光旅行とはひと味違った散歩になるだろう。その手始めとして、「新幹線から見えるお城めぐり」は最適だ。

(写真はすべて筆者撮影)

栗原 景 ジャーナリスト

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くりはら・かげり / Kageri Kurihara

1971年東京生まれ。出版社勤務を経て2001年独立。旅と鉄道、韓国をテーマに取材・執筆。著書に『新幹線の車窓から~東海道新幹線編』(メディアファクトリー)、『国鉄時代の貨物列車を知ろう』(実業之日本社)等。

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