新幹線の優位、本当に海外に伝わっているか 欧州型とは違う「衝突回避原則」で優位性示す
1964年の東海道新幹線開業以来、高い安全性を誇る高速鉄道として世界にその名を誇ってきた日本の新幹線。2007年から運行している台湾高速鉄道のほか、昨年末にはインドに建設される高速鉄道への採用が決まった。
日本型の高速鉄道システムである新幹線を国際的な標準とするための取り組みを進めているのが、新幹線を運行するJR各社などによって構成される一般社団法人・国際高速鉄道協会(IHRA)だ。
IHRAは2014年に発足。新幹線の基本思想を、高速旅客列車鉄道専用軌道と専用のATC(自動列車制御装置)によって衝突の可能性を完全に排除する「クラッシュアボイダンス(衝突回避)」の原則に基づくシステムであるとして、在来鉄道と線路を共用し、衝突耐性が求められる欧州型の高速鉄道システムとの違いを打ち出し、日本型システムへの理解促進を図ってきた。
日本型高速鉄道「認識高まった」
時間の正確さや運行の安全性、輸送力の大きさについては以前から知られてきた新幹線だが、欧州型の高速鉄道との本質的な違いであるこの原則について、海外の鉄道関係者の認識はどの程度進んできたのだろうか。
IHRAの宿利正史理事長は「クラッシュアボイダンスの原則に基づく日本式の高速鉄道に関する認識は高まってきたと感じている」と語る。従来も正確で安全な運行、輸送力が大きいといったことは認識されてきたが、「在来線と乗り入れるヨーロッパのシステムとの本質的な違いは広がっていなかった。最適に統合されたシステムが新幹線の安定輸送を実現していることが浸透してきた」という。
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