巨額赤字パナの危機感 シャープ楽観の理由

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中小型パネル事業の核は、亀山工場で生産するアップル製品向けである。アイパッド用パネルは春の出荷開始の遅れで競合にシェアを奪われ、シャープの量産体制が整い始めた夏にはアップルが減産に入ってしまった。結果、7~9月、月産200万枚のラインを敷いた亀山第2工場は、平均で月産50万枚程度しか造れず、稼働率は3割と低迷した。

下期、会社側は亀山第2でアイパッド用を月産100万台以上、稼働率5割以上を計画する。だが、11月に発売されたアイパッドミニ(シャープの受注はなし)の影響もあり、現行のアイパッド用パネルの需要動向は不透明。会社計画には年明け以降のウルトラブック用の量産も織り込むが、大口受注は確定していない。

亀山第1で量産するアイフォーン用は、技術的な問題から歩留まり改善に苦戦している。ドイツ証券の中根康夫アナリストは「年内に採算ラインである70~75%の歩留まりに到達するとは考えにくい」と指摘する。

9月末、シャープは主力2行から3600億円の巨額融資を取り付けた。その期限は来6月であり、借り換え問題が浮上する。来9月の新株予約権付社債2000億円の償還に対しても手を打つ必要がある。

シャープは下期を138億円の営業黒字と計画するが、液晶事業のリスクを考えればハードルはそうとう高い。一方で主力行関係者は、「今下期以降の営業黒字化が融資継続の絶対条件」と念押しする。シャープの“楽観”は、そう打ち出すしかない苦境の裏返しでもある。

(撮影:尾形文繁、今井康一)

前野 裕香 ライター

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まえの ゆか / Yuka Maeno

1984年生まれ。2008年に東洋経済新報社に入社し記者・編集者として活動した。2017年にスタートアップ企業に移り、広報やコンテンツ制作に従事。現在はフリーランスライターとしても活動中。

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