巨額赤字パナの危機感

シャープ楽観の理由

実際、矢継ぎ早に施策を打ち出した。今春再進出した欧州の携帯事業は今期中に撤退し、民生リチウムイオン電池では和歌山、貝塚、守口工場の生産を大幅に縮小する。デジタル家電以上に価格下落が進む太陽電池も投資を凍結する。

「15年度までの3年間は危機脱出モードに徹する」(津賀社長)。10月、三井住友銀行など4行と6000億円の融資枠契約を交わした。今後、資金体力と相談しつつ、プラズマパネルなど固定費が重い事業に大ナタを振るう可能性が高い。

ただ、「次」が見えないという課題は残る。今回、発信されたメッセージの多くが「縮小・凍結」であり、「従業員は消耗するのではないか」と関係者は懸念する。「売り上げは追わない。営業利益率5%以上の創出に全力を注ぐ」(津賀社長)という戦略のロジックは明快だが、4月に発表する中期経営計画では成長シナリオを示す必要がある。
 

シャープ下期黒字化の苦肉

11月1日、シャープは今期2度目となる業績予想の引き下げを発表した。液晶パネルの在庫評価損や繰延税金資産の取り崩しで、13年3月期の最終赤字は過去最悪の4500億円に達する見通しだ。

今上期、シャープは大型パネルの在庫削減に奔走した。「昨春に堺工場で造りすぎたパネルが、約1年にわたって“塩漬け”になっていた」(シャープ関係者)ためである。堺工場の稼働を3割に落とし、韓国サムスン電子の40型テレビ用に、200万枚以上のパネルを赤字で出荷した。売れ残った大型パネルの廃棄だけで、上期、534億円の在庫評価損計上を余儀なくされた。本来、前期末に実施すべき処理だったといえる。

負の遺産の処理が巨額赤字を招いたという点は、パナソニックと同様。だが、先行きに対する危機感は対照的だ。とりわけ、シャープが成長事業と位置づける中小型パネルの生産計画は、希望的観測といえる。

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