スタバのワインとスイーツは何がスゴイのか 丸の内に続き5月には赤坂にもオープン
スターバックスならではのこだわりは、グラスを観察するとわかる。特注の「うすはり」(松徳硝子のシリーズ名)グラスのため軽量で、しかもサイズが小さめ。女性が片手でラクに扱えることができるよう設計されているわけだ。フードの容器も特別にあつらえたもので、グラスの口にセットして提供されるので、両手がふさがることなく、持ち運ぶことができる。女性は男性のように内ポケットに財布をしまうことができないので、片手が空くかどうかは意外に大きなポイントだ。
また、グラスの表面には、英語で「お疲れさま!」などのメッセージが記されている。メッセージは4種類あって、どのグラスで提供されるかはお楽しみだ。シックなデザインのコースターも12種類用意されているなど、スターバックスファンの心理をくすぐる“遊び心”が随所に凝らされている。
夕方になると照明が変わる
ビールやワインも昼間の時間帯から提供されているが、イブニングスの特徴がはっきり表れるのは、やはり夜の時間帯だ。午後5~6時になると、スタッフが客の様子などを見ながら頃合いを見計らい、照明を切り替える。すると、ワインのグラスやボトルを表現した影絵のアートが壁に出現するのだ。また、昼間の時間帯とは異なる、紺色のエプロンを身に着けたバリスタが姿を現す。イブニングス専用の教育を受けたスタッフで、お酒についての質問などにも対応する。バーのように、カウンター越しの会話を楽しむこともできるわけだ。
では、オープンからおよそ1カ月を迎える現在の、感触はどうだろうか。
結果は「狙いどおり」(山口さん)で、リニューアルオープン前より女性客が増えたという。1人客はもちろん、カップルや友人同士なども多く訪れているそうだ。実際見てみると、通常のスターバックス店舗で昼間によく見かけるような行列が、カウンター前にできている。確かに女性も多いが、スーツ姿の男性なども混じっており、女性ばかりの空間、という印象はない。
今後の展開としては、5月末に、港区赤坂にアークヒルズ店のオープンが決まっている。しばらくは、オフィス街を中心にイブニングスを増やして行く予定とのことだ。新しいサードプレイスの象徴が、米国では“コミュニティの場”になるのに対し、日本では“女性の1人飲みの場”として現れるのは興味深い現象だ。
しかし考えてみれば、女性に気に入ってもらえれば、ほかの客層をも取り込むことができる。飲食業において、女性の視点を取り入れることは非常に重要なのだ。新たなちょい飲みのスタイルとして、受け入れられていく予感がする。
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