熊本地震、福岡市が「絞る支援」に挑んだワケ 「自己完結型」は新たなロールモデルになるか
その方法についても、具体的な方法を発信している。
「①福岡市では市民の皆さんに物資を持ち込んで頂く段階から細かく仕分けをしているので、大西熊本市長に提案して、今日からは最も時間のロス(ボトルネック)になっている仕分けをする熊本陸上競技場を経由すらせずに直接必要な避難所に届けられるようになりました。
②今日から福岡市の職員100人を派遣して、明日の朝から熊本市で最も避難所が多い東区の32か所の避難所を担当することになりましたが、その職員の宿泊・中継基地を隣の菊池市に作り、毎日福岡市から菊池までを大動脈としてピストンでまとまった支援物資を送り、 職員が自分が担当する避難所に行く時には、毛細血管として毎日必要な物資を菊池の宿から必要な量、直接届けることにします。
(中略)また同時に避難所の物資の在庫をリアルタイムで共有できるシステムを超速で作って、次の段階ではオンデマンドで随時物資を補充する。これもまさにチャレンジではありますが、とにかくシステムが出来次第やってみます」
日本の災害支援のロールモデルを作りたい
21日夜には「とにかく命を繋ぐという震災直後の段階から、これからは細やかに生活を支援する息の長いステージへと移っていきます。これからは専門性を持った方やNPO、ボランティアの皆さんの力が大切になります」とコメント。福岡市では被災地へ支援物資を届けたいNPO等の皆さんに、市民から預かった7品目の支援物資を提供すると発表。熊本市がいったん救援物資受け入れを中断することを受け、福岡市での受け入れも休止した。一方、4月26・28日に福岡市で災害ボランティア講座を開催すると発表し、参加を呼びかけている。
同じ21日の夕方、福岡市は15日の朝に立ち上げていたテキストサイトを拡充し、現在の熊本地震に関連する情報をまとめたサイトを公開した。「被災された方へ」「支援したい方へ」「福岡市等からの支援」の3項目で、あらゆる情報がわかりやすくまとまっており、ここでも被災自治体に負担をかけない「自己完結型支援」の重要性が強調されている。
現在も支援活動の進捗や、それらを通じて得た気づきなどについて、自ら情報を発信し続ける高島市長。東洋経済オンラインの取材に対しては「日本の災害支援のロールモデルをいつか誰かが作らないと。誰かに任せずに、福岡市がやります!」と力強く語ってくれた。今後の動向も追いかけていきたい。
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