プレステ2で賑わったソニー美濃加茂が閉鎖
ソニーは10月19日、製造子会社のソニーイーエムシーエス(EMCS)美濃加茂サイト(岐阜県美濃加茂市)を2013年3月末までに閉鎖すると発表した。
美濃加茂サイトは1980年開設。ソニーとしては比較的新しい国内製造拠点だ。高密度実装技術を武器に小型ビデオカメラの一大製造拠点として発展。ソニーの黄金期を支えた工場のひとつだ。2000年前後には「プレイステーション2」の主要製造拠点として賑わっていた。
しかし、近年は海外工場への生産シフトやEMS(電子機器製造請負サービス)への委託拡大により仕事量は一気に減少。現在はデジタルイメージング事業の一部(一眼レフ用交換レンズやレンズブロックの生産)、携帯電話(フューチャーフォン)の生産や修理を行うにとどまっていた。
美濃加茂サイトの業務は幸田サイト(愛知県額田郡幸田町、デジタルイメージング事業)と木更津サイト(携帯電話関連)に移管・集約する計画。これにより、ソニーEMCSの拠点は木更津、幸田、湖西、稲沢、長野の5拠点のみとなる。2001年4月の発足時には12拠点あったため10年で半分以下になった計算だ。
美濃加茂サイトで雇用している正社員840人の一部は他工場へ転籍するほか、早期退職支援プログラムによる退職を見込んでいる。
ソニーは4月に全社コストの適正化を進めるための構造改革実施を発表しており、今回の発表はその一環。高コスト体質の主因である国内の雇用規模縮小が大きな課題なだけに、構造改革が前進していることはポジティブに評価できる。なお、期初時点で1万人の人員削減、750億円の構造改革費用を織りこんでおり、2012年度の連結業績見通しに与える影響は軽微だという。
(山田 俊浩 =東洋経済オンライン)
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