オープン間近の「京都鉄道博物館」4つの魅力 国内最大、貨車から新幹線まで53両を展示
もう一つ、本館の中にある引込線スペースも注目スポットだ。車両工場風の空間には現役のレールが敷かれて、しかも東海道本線とも繋がっているので、JRの現役車両を展示することも可能になる。来館のたびに、展示される車両の陣容は変わっている。
宮原総合運転所にいる往年の展望客車マイテ49はどうだろう。新型ラッセル気動車キヤ143形も間近に見てみたいな。3月に車両工場から回送された寝台気動車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」ってサプライズはあるか。
「なにが来るのですか」と副館長に聞いてみたが、「秘密です。楽しみにしてください」とのこと。夢と期待がどんどん膨らんでくる。
2)新型SLスチーム号と第2検修庫
そして、蒸気機関車。もともと梅小路にいた20両、そして交通科学博物館から来た3両で計23両の陣容となった。
注目されているのは230形だ。1903年に製造された小型タンク機関車で、安定した性能と保守の容易さから国産初の量産型蒸気機関車となった。そこが評価され、今年3月、国の重要文化財への指定が内定した。本館入口近くに鎮座しているので、見逃さずに。
梅小路から引き継いだ扇形車庫では20両が待ち受けている。1880年製の輸入機「義経号」こと7100形から、国内最大の大型貨物機D52まで、多彩なSLが来館客を待ち受けている。
動くことが可能な蒸気機関車は8両だ。営業運転用のC57-1とC56-160は山口線や北陸本線などに出張している可能性もある。それ以外の動態保存機関車の一部は機関庫の横にあるホームに発着する「SLスチーム号」の牽引に充当される。一部改良された500mの展示線を往復する。
「SLスチーム号」の客車は、今回、新製された。18m2両編成のトロッコ車両で定員は208名に倍増。車体はレトロモダン調で、車内は往年の特急ヘッドマークで彩られた。料金は300円(中学生以下100円)。ホーム近くの売り場で販売される。オープンからしばらくは時間を定めず、需要に応じた頻発運転を予定している。最終便が到着した後、16時頃から始まる給炭作業、転車台の回転と車庫入れ作業も見逃せない。
車庫の隣にあるSL第2検修庫も見逃せない。ここは蒸気機関車の動態運転を持続させるべく、検査や修繕を行う本格的な施設として新設された。現在、D51-200がボイラーを外した状態で眠っている。2017年からの営業運転を目指して、スタッフたちが修繕に取り組んでいる。鉄道を支える裏側を見せる「動く展示」。こんな貴重な姿を見られる博物館は国内にはない。
忘れていけないのは、本館2階から繋がる連絡デッキである。機関庫や「SLスチーム号」、そして山陰本線や東海道本線、新幹線の列車を一望できるフォトポイントだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら