オープン間近の「京都鉄道博物館」4つの魅力 国内最大、貨車から新幹線まで53両を展示
3つ目に注目したいのは2階の展示施設。「体験」「安全」「技術」がキーワードだ。人気の運転シミュレーターは実際、社員が訓練で使用するタイプで、新幹線用と在来線電車用がある。貸出用の制服を着ながら、運転士の仕事体験を楽しみたい。
大型の鉄道模型を運転できるコーナーもある。N700A新幹線の先頭にはカメラがついていて、運転台のモニターから「ATC(自動列車制御装置)」など安全装置やブレーキの役割と仕組みを実感できる。
運転司令所のコーナーでは、山陽新幹線の列車運行管理システムCTC司令室の大きなパネルが展示されている。ワークショップ形式でダイヤ作成を体験するプログラムが用意されている。
意外に面白いのが、自動改札機の展示だ。隣の券売機でゲットした切符を入れると、そのまま吸い込まれていく。カバーが透明なので、あの複雑怪奇な機能と切符の動きが一目瞭然なのだ。
側にはマルス端末もあった。自分で発券できると聞いてタッチパネルをたたくと、「サンダーバード」加賀温泉行きの指定券モドキが出てきた。反転フラップ式列車発車標は交通科学博物館時代から人気の設備だ。自分で列車の愛称や行先を選択して表示できるのも嬉しい。
特急電車の和式便器も・・・
細かい展示物も興味深い。「駅員の一日」コーナーでは、駅員たちが就寝時に使用する自動起床装置付きベッドの展示がある。動態可能らしいので、一度、見物してみたい。183系(旧485系)電車の和式便器、こういうのも博物館で説明が必要な時代になった。時の流れを感じてしまう。
「物を運ぶ」は鉄道貨物のコーナーだ。JR貨物から譲り受けたコンテナの展示に加え、貨物駅や物流システムの発達のあゆみが紹介されている。「関西の鉄道」の展示室では、関西大手5社や京都の交通についての展示もある。趣味や映像、音楽など鉄道文化を紹介するスペースもある。
80分の1の鉄道模型車両が動く鉄道ジオラマは横幅30m、線路総延長1kmの規模を誇る。「ドクターイエロー」など人気車両が京都や各地の風景を模したレイアウトを走り抜ける。
近鉄「しまかぜ」など他の私鉄車両もラインナップに加わる。1回20分のプログラムで、毎日6~7回の運転が予定されている。200~250人は収容できるが、行列待ち必至のスポットだ。
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