オープン間近の「京都鉄道博物館」4つの魅力 国内最大、貨車から新幹線まで53両を展示

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巨大な本館ホールには、JR西日本の路線を行き交った500系、581系、そして489系が待ち受けている

2016年4月29日(金)、京都市下京区の梅小路公園に京都鉄道博物館が誕生する。展示面積は2.3万㎡で、鉄道博物館(さいたま市)の2倍。貨車から特急、新幹線まで53両の貴重な車両が保存されている。国内最大の規模だ。

関西の鉄道文化の担い手だった交通科学博物館(1962~2014年)、日本の近代を支えた蒸気機関車と扇形車庫を備えた梅小路蒸気機関車館(1972~2015年)。JR西日本系の2つの施設を引継ぎ、新しい魅力に充ち満ちた施設となっている。

京都という伝統的な街に誕生する「地域と歩む鉄道文化拠点」。その魅力を4つの視点で取り上げたい。

1)山陽新幹線のエース500系が待ち受ける

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食堂車ナシ20は車内で食事ができる

山陰本線の高架線脇のエントランスホールを潜ると、100mプロムナードが続く。駅ホームを模した屋根の下に、国内最大の旅客SL機C62、東海道本線を闊歩した80形電車、そして東海道新幹線0系が待ち受ける。

いずれも日本の鉄道の近代化を支えた名車ばかりだ。先頭車だけでなく編成単位で保存されているのも嬉しい。食堂車のナシ20ではランチメニューの提供もある。定期列車から消えた食堂車体験をするのも一興だ。

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ボンネット型特急「雷鳥」

続く本館の正面には、北陸を走ったボンネット型特急489系、寝台と座席両用の特急581系、そして山陽新幹線のエース500系が並ぶ。ファン人気の高い車両で、今回のオープンにあわせて新規に運び込まれた。

車両のしくみを見学するコーナーでは、EF66とDD51がジャッキアップして展示されていて、真下から台車や動力装置を眺める構造になっている。メカニック好きにはたまらないアングルだ。周囲には、レールやパンタグラフ、ブレーキなど鉄道の安全を守るための設備の展示も多彩だ。

お隣のトワイライトプラザは1914年築の京都駅ホーム上屋を再構成した空間になっており、「トワイライトエクスプレス」やブルートレインの牽引機と客車が並んでいる。

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