新型プリウスも採用拡大、「EPP」って何だ? 車の軽量化対策で脚光、世界で採用広がる

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世界中の自動車メーカーは近年、燃費規制への対応や販売戦略の一環で燃費改善のために車体の軽量化を推し進めている。そうした中で、軽量素材のEPPが改めて自動車業界の注目を集め、「5年ほど前から、トランクルームの中やリアシート用コア材といった新たなカ所にも使われ始めた」(JSPの臼井宏・専務執行役員)のだ。

リアシートに関して言えば、まず欧州、次に米国の自動車メーカーが一部車種で採用を開始。一方、実績を重んじる日系自動車メーカーはこれまで様子見だったが、ついに最大手のトヨタが動いた。

トヨタが2015年5月にフルモデルチェンジした「IMV」。ピックアップトラックやSUV、ミニバンを揃えた同シリーズは、東南アジアを始めとする新興国向けの世界戦略車である。その全面刷新で、リアシート底部のコア材にEPPを採用した。

EPPを使ってシートを軽量化

トヨタは昨年に全面刷新した新興国向け戦略車「IMV」で、リアシート底部にEPPを使用して軽量化を図った

通常、自動車のリアシートの内部は、鉄フレームと複数の種類の軟質ウレタンで構成されている。今回投入したIMVでは、底部の材質を従来のウレタンからEPPに変更した。

EPPは軽いながらも一定の剛性があるため、鉄フレームを減らしても必要な強度が確保でき、シートの軽量化につながった。

そしてIMVの次は、日米における看板車種のプリウスだ。その新型モデルでも、軽量化のため、リアシートの底部のコア材としてEPPを採用。さらに、従来はインジェクション成形品を使っていたトランクルーム内についても、ツールボックスやスペアタイヤ収納部を含む下部全面をEPPに切り換えた。今後、トヨタはほかの車種でも同様の軽量化対策を展開するとみられている。

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