熊本地震の被災者が見た恐怖と避難のリアル 震災への備えが不十分な地域でそれは起きた
大震災の被災者になって痛感したことの一つは、安否の発信がとても重要だということです。友人・知人から「大丈夫か?」という連絡が来ます。直後は電話がつながりにくかったですが、LINEやFacebookのメッセンジャーなどで安否を知らせることはできました。ご高齢の方の中には携帯電話は持っていても、スマホを持っていない人が多く、ネットやSNS、ネットラジオでの情報が得られていないことがあるようです。
根拠不明のデマが飛び交った
一方、ネットでは特に根拠不明のデマに惑わされないことも必要です。16日未明の大きな地震があった後です。「拡散希望!気象庁からです!活断層が割れているため12時間以内にM7.4の地震が予想される」というツイートが出回りました。
知り合いもLINEのメッセージで送ってきて、一部で拡散しました。「そんなワケはない」と思って調べてみたら、やっぱりそんな話はなかった。今、益城町でまことしやかに伝えられているデマは、「震災地荒らしが県外から集団で熊本に向かっている」という話です。
テレビやインターネットなどの情報はありがたいのですが、電気がなければどうしようもないですし、結局は日頃からコミュニケーションを取っている近隣からの情報がいちばんアテになります。
町役場や小学校などの避難所以外では、自家用車で農道などに止めて寝泊まりしている人が多いです。どこに止めるかというと、トイレがあって配給がもらえるところです。私も17日時点で阿蘇くまもと空港・エミナースホテルの周辺で避難していて、車中泊をしています。
この駐車場は同ホテルが任意で開放してくれ、食料なども無償提供してくれた避難場所の一つになっていて、周辺には1200人ぐらいが集まってきていますが、いくつか問題がありました。ここに来た避難民たちをどのように統括したらいいのか、まともな手だてやルールがなかったことです。町役場にも足を運びましたが、彼らにも情報がない。
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