市況悪の逆風下での船出 ついに新日鉄住金が始動

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研究開発で断トツ狙う海外供給体制も整備へ

韓国製品は品質向上も指摘される。ハイエンドではまだ日本勢に優位性がある品種でもそうとうキャッチアップされているというのだ。

自動車用鋼板について、高橋学フェローはハイテン中心に加工性や安定材質・供給では依然上回るとしながら「ポスコの材料開発、供給能力は急激に向上している」と警戒する。

日本の高炉は研究開発志向の強さが特徴的。新日鉄は保有特許数も世界的だ。11年度の新日鉄グループの研究開発費は481億円と高水準だったが、ポスコも5920億ウォン(413億円)まで増加。利益でつねにポスコが上回る状況のため、いつ逆転が起きてもおかしくなかった。

そこに、前期228億円の住金分が加われば再び突き放すことができる。経産省の山下課長は「経営資源が大きくなり、人、技術、資金が増える。大競争の時代に、それを駆使することは有利に働く」と期待を込める。

統合の大きな狙いの一つが海外展開の加速。しかし、合併発表時ににおわせた高炉を含む海外一貫製鉄所計画は遠のいている。「計画しているものはない」(樋口眞哉副社長)。ポスコはインドネシアで合弁高炉を稼働予定だが、「新しいプロセスが入っておらず、効率化の勝負だけなので脅威ではない」と友野社長。上工程の競争力は世界一であり、「下工程中心でも十分競争力を持った戦いができる」と勝算を語る。

来年からはタイ、メキシコ、インド、ベトナムと自動車用鋼板の海外現法の稼働が相次ぐ(表)。国内の効率化で余る経営資源を、海外で伸びる地域に振り向ける構えだ。

 

 

 

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