なぜ大半の実家は「ゴミ屋敷化」するのか? 大の仲良し「サザエさん一家」も避けられない?

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ワカメ(39歳)は、海外出張もバリバリこなす、外資系企業のキャリアウーマンです。3歳と5歳の娘の母親でもあり、子育ては保育園とベビーシッターの合わせ技で乗り切っています。夫は半年前から中国に単身赴任中です。

ワカメの夫はひとりっ子。80歳を超えた義父母の身の回りのことは、介護サービス会社に任せていますが、何かあると義父母や、介護サービス会社から電話が入り、そのたびに義父母宅へ駆けつけなければならない状態です。自宅マンションはもちろん、実家の片づけまで、気を回すことができずにいました。

このような状態だったため、実家の片づけや葬儀の手配は、地方から都内に戻ってきたばかりのカツオがすることになったのです。ところが、実家がこのありさまでは、葬儀どころではありません。家に人を呼ぶのは無理なので、メモリアルホールに葬儀のことを一切お任せするしかなさそうです。

遺品整理をして初めて気づく生前整理の大切さ

実家の片づけの知識がまったくないカツオ。そこで、小学生からの友だちで、「実家片づけアドバイザー」をしている早川さんが駆けつけ、まずは基本的なことについて説明することになりました。

早川:「実家の片づけは、大きく分けると『生前整理』と『遺品整理』があるの。磯野くんの実家は、その両方を同時にしなければならないわ」

カツオ:「そもそも生前整理と遺品整理の違いから、教えてよ」

「生前整理」は、親が自分の意思で片づけます。将来にわたって本人が暮らしやすくし、自分がいなくなったあとに、家族が困らないためにする物と情報の片づけです。

「遺品整理」は、本人が亡くなって周りの家族が片づけることです。物の持ち主である親の意思がわからないため、「いる・いらない」の判断が難しく、精神的な負担が家族に大きくのしかかります。

ゴミ屋敷化した磯野家の場合、フネの意思がある「生前整理」だけでも大変なのに、波平の意思がない「遺品整理」までしなければならないのです。

さて、片づけをするうえでよくあるのが、親世代と子世代の価値観の違いです。物を捨てることに罪悪感を抱く親世代と、もめることがよくあります。

カツオ:「母さんとやりとりしながら片づける方法はわかったよ。でも、物だらけだと、つい頭にきちゃうかも」

早川:「片づけをやっていると親世代との価値観の違いを感じることはよくあるわ。実家の片づけをスムーズに進めるためにも、親に言ってはいけない『NGフレーズ』を知っておくといいわ」

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