経営学習論 人材育成を科学する 中原 淳著 ~新しい時代に合わせた上級者向け人材育成論

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近年増加している即戦力としての中途入社の場合はどうだろう。当然にして彼らは若くはないし、それゆえ新人のようには誰も教えてくれない。また新規参入者に周囲は必ずしも温かくはないようだ。しかし「即戦力」は、せいぜい「1年間での短期間での成果」を求められる、と本書は語る。また海外勤務の場合は、オリエンテーションくらいはあるにしても、もはや国内での異動とあまり変わらないようである。よく語学の習得の必要性が語られるが、必要なのはやはり、仕事のスキルであり「具体的経験」である。こうした著者の指摘はいつも海外調査をしている評者にも納得できる。

さて、本書ではあまり耳慣れない概念が多用されている。「組織社会化」(入社直後の社内教育)をはじめとして「経験学習」「職場学習」「組織再社会化」「越境学習」といったことである。新しい時代には新しいカテゴリーが必要だということか。上級者向けの人材育成論である。

なかはら・じゅん
東京大学大学総合教育研究センター准教授、東大大学院学際情報学府准教授、東大教養学部学際科学科准教授。1975年生まれ。東大教育学部卒業、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程中途退学。米マサチューセッツ工科大学客員研究員などを経る。

東京大学出版会 3150円 267ページ

  

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