「できるだけ社員には厚く報いたい」--業務用食品卸最大手・トーホーの上野裕一社長に聞く

「できるだけ社員には厚く報いたい」--業務用食品卸最大手・トーホーの上野裕一社長に聞く

「最終的には納めるんだから、どういう形で税金を納めたっていいんじゃないですか?」と言うのは、業務用食品卸最大手・トーホーの上野裕一社長。
 
 「(会社が)法人税として納めるか、(従業員が)所得税として納めるかの違いですよ。給料が高ければ、個人もおカネを使おうという気になるでしょ。そうすれば景気だってよくなる。うちなりの景気対策のつもりでもあるんですよ」と、なかなかデフレを脱しない日本経済への嫌味もチクリ。

「弊社がM&Aをした会社もね、できるだけ早くウチと同じ水準に引き上げたい。この業界は年収400万円くらいで頑張っている人が大勢いる。そりゃウチだって平均年収は530万円程度なんで、あんまり偉そうなことは言えませんよ。だけど、できるだけ社員には厚く報いたいんです。ウチはいままでリストラなどいっさいしたことはありません。今年の初めには給料の改定、引き上げも行いました。だから、弊社は人件費比率が(同業他社と比べると)高いんです。アナリストには評判が悪いですがね(笑)」と、まんざらでもなさそう。

一方で友好的なM&Aを活用しながら、事業基盤の拡大にも余念がない。
 「弊社の場合、M&AはCSRの一環なんです。対象は経営者が高齢化し、事業承継が困難になっている会社が多い。目的が従業員の雇用維持になっている面もある」
 
 「とは言っても、真面目な会社じゃなければ無理ですねぇ。オーナーの人柄優先。真面目とは、例えば倉庫が散らかってないとか、棚がきちんと整理されているとか、そういう普通のこと。こちらのやり方を一方的に押し付けても、うまくいきっこない。そういう真面目な会社じゃなければ、一緒になってもシナジーは生まれないんです」

足元の業績は、主力のディストリビューター事業の拡大に伴って物流費が膨らんだことに加え、原料価格の高止まりも響き、期初の微増益予想から減益予想に転じている。しかし、9月末には静岡県で業務用食品のキャッシュアンドキャリー事業を展開する小松食品を買収するなど、関東圏でも存在感を増している。

(筑紫 祐二 =東洋経済オンライン)

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