タイヤ世界5位の住友ゴムが長期計画を発表、20年度に営業利益3倍増をめざす

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タイヤ世界5位の住友ゴムが長期計画を発表、20年度に営業利益3倍増をめざす

タイヤ業界世界5位の住友ゴム工業は9月26日、2020年度を最終年度とした長期経営計画を発表した。数値目標は、2011年12月期比で、売上高が約1.8倍の1兆2000億円、営業利益は2.8倍の1500億円を目指す。

成長の最大の原動力と位置づけるのは、中国市場での成長と、中南米や西アジアなど新興国市場への展開だ。売上高に占める割合は、中国では11%(11年度)から17%に、新興国(中国除く)では10%から20%へ拡大を図る。現在、11カ所ある製造拠点は、新興国中心にさらに7拠点増やす計画で、年間500億円から700億円の設備投資を行う方針だ。新興国向けには、これまで国別に仕様が異なっていたものを統一するなど、量産効果を一段と発揮し、競争を勝ち抜く構えだ。

北米や欧州・日本など先進国市場向けには、低燃費タイヤやランフラットタイヤ(パンクしてもある程度の距離の走行が可能で、安全性向上やスペアタイヤ削減につながる)、また石油外天然資源タイヤなどの高付加価値タイヤの販売を強化する。

また、これまで新車用としては日系自動車メーカー向けが95%を占めているが、海外系メーカーへの納入を拡大し、海外メーカー比率を35%に高めたい考えだ。

タイヤ事業以外ではゴルフボールの一段の拡大や、建築向けの制震材料やヘルスケア向け素材といった新分野も育成していく方針だ。

なお、足元の中国事業について、デモのピーク時にはOA機器用ゴムで納入先の生産休止の影響を受けたものの、すでに工場稼働は正常化している。ただ、日産やトヨタが減産に入っていることから、「これから新車向けに若干影響が出てきそう」(池田育嗣社長)という。

(丸山 尚文 =東洋経済オンライン)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売上高  営業利益 経常利益  純利益
連本2011.12  676,903 53,924 49,927 28,386
連本2012.12予 715,000 69,000 63,000 33,000
連本2013.12予 738,000 72,000 68,000 36,000
連中2012.06  333,734 32,265 30,323 16,422
連中2013.06予 345,000 34,000 32,000 17,000
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2011.12  108.2 23 
連本2012.12予 125.8 23-25 
連本2013.12予 137.2 23-28 
連中2012.06  62.6 10 
連中2013.06予 64.8 10-12 
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