iPhone5がついに発売、ソフトバンクはつながりやすさに課題か

孫社長は発売2日前の今月19日、8月18日時点でアイフォーン5のLTE対応基地局の免許数がKDDIのおよそ2倍あることを強調、つながりやすさでも優位に立つことをアピールした。さらに発売セレモニー直後には記者団に対し、東京23区内のアイフォーン対応のLTE免許取得数が書かれた紙を渡し、東京23区内でもKDDIよりLTE対応の基地局数が多いというデータを発表した。

しかし、つながりやすさは基地局の数だけで決まるわけではない。ソフトバンクの基地局数アピールにKDDIの田中孝司社長はご立腹。同日朝にKDDIも発売開始のセレモニーで「基地局数を比較するのはひどい。聞いたときにはピキッときました」と漏らした。

現に、現在ほとんどの利用者が使う3G回線の基地局数はKDDIの方が少ないが、特に地方部でのつながりやすさに関してはソフトバンクより優位に立っている。基地局間を移動した場合の接続技術など、つながりやすさを決めるには複数の要因があるのが業界の常識だ。

しかも、現在ソフトバンクが巨額投資をする900メガヘルツ帯の周波数帯は、アイフォーン5のLTEでは利用できない。アイフォーン5のLTEは2.1ギガヘルツ帯に対応しているためだ。ソフトバンクはすでに3Gの利用者向けに2.1ギガヘルツ帯を中心に利用しておりこの周波数帯は逼迫気味。孫社長は「山手線内ではアイフォーン4S、4の顧客には速くプラチナバンドに移ってもらい2.1ギガヘルツ帯を空けるように努力をしている」と話す。

KDDIは3G回線を利用する顧客は800メガヘルツ帯を中心に利用しており、2.1ギガヘルツ帯でのアイフォーン5向けネットワーク構築では優位に立っているとみられる。さらに、LTEのカバーエリア以外では従来のアイフォーンと同じように3G回線を利用するため、ソフトバンクの3Gがつながりにくい地域はLTEのカバーエリアになるまでつながりにくさに苦しむこととなる。

両社とも急ピッチでアイフォーン5向けにネットワーク環境を整えているうえ、同時期の人口カバー率などは未公表のため単純比較は難しいが、両社のLTE基地局敷設状況を注視しながら購入を決めるのが賢明だ。


(麻田 真衣 =東洋経済オンライン)

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