個人投資家にも、マイナス金利は不評だった 緊急アンケート調査で分かったこと

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次に、「どのような目的で金融資産を保有していますか」という設問に対して、「老後の生活資金のため」と「住宅(土地を含む)の取得の資金に充てるため」を選ぶかどうかについて、マイナス金利に対する考えを調べた。

「老後の生活資金のため」(56.7%)に金融資産を保有している場合、そうでない人に比べてマイナス金利は「望ましくない」と考える人が多い。将来の生活資金を守りたいという考えが強くなると、マイナス金利の負の面が強く意識されるということだろう。

他方、「住宅(土地を含む)の取得の資金に充てるため」(7.1%)に金融資産を保有している場合は、むしろマイナス金利が望ましいと考える人の割合が増える。住宅ローン金利低下による恩恵が意識されているのだろう。

最後に、そもそも政府・日銀が目指している「インフレ」が望ましいものかどうかについて、マイナス金利政策に対するイメージとの関連を調べてみた。

日銀のインフレ目標と手段に理解を示す人はわずか

政府・日銀は2%のインフレ目標を設定しているが、必ずしもすべての人が「インフレが望ましい」と考えているわけではない。本調査の結果によると、「インフレは望ましい」という設問に対し、「あてはまる」と答えたのは4.1%に過ぎない。以下、「ややあてはまる」が24.0%、「どちらでもない」が最も多い43.2%、「あまりあてはまらない」(17.6%)、「あてはまらない」(3.2%)という分布である。

この結果と、「マイナス金利は望ましい」という設問の回答を結びつけてみるとどうか。

「インフレが望ましい」という設問に対して「あてはまる」と答えた母集団の中では、マイナス金利が「望ましい」という回答が半数を超えた一方、他の母集団では「望ましくない」という見方が多かった。一部の人々には日銀が意図する政策(マイナス金利政策によってインフレ目標を達成する)が浸透しているが、その割合は非常に小さい。

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