ワーキングプアを自治体が作っている

『非正規公務員』の著者に聞く

 

──民間同様に非正規が増えているようですね。

地方自治体の正規公務員は教員、警察官を含めて280万人。それに対して非正規公務員が自治労の調査では60万人はいるようだ。総務省は2008年に50万人という調査結果を発表している。これはその3年前より5万人増。一方で正規を減らしているから明らかに代替、つまり置き換えをしている。

非正規の増加の類型は三つに分類される。代替型は職域では図書館や保育園に多い。このほかに新規需要対応型と補充型がある。新規需要対応型は1970年前後から始まった消費者相談業務がはしり。この業務は主婦に向くとして、非正規で始められた。最近では、生活保護受給の若い層に向けた就労支援相談員がいる。たとえば横浜市では200人いて、この人たちは非正規だ。

補充型は、たとえば生活保護のケースワーカーに非正規が当たっている。受給者が増え、正規だけでは足りない。非正規は「軽いケース」の保護世帯を担当するとはいえ、ケースワーカーはいわば生殺与奪権を持つ。また小中学校では、特別支援教育支援員が増えてきた。小学校などでの学習支援では市区町村が雇って教室で児童を支援する。それはほとんど非正規が担う。

──国家公務員の非正規との違いはあるのですか。

国家公務員の場合、統計上の正規外は15万人を数える。ただしこれには審議会委員や顧問、また保護司などボランティアに近いものも含まれている。自治体と同様の職業的な意味での非正規は7万人から8万人ぐらいか。ほぼ5人に1人が非正規という比率は自治体と変わらない。ただし、諸手当支給制限はない。ハローワークの相談員などを除けば、その人たちは全体としてプールされていて、2カ月などの任期で違う省を回る人も少なくない。

 

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